残気量を求めるために行う検査はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
残気量(RV)は、最大限息を吐き出した後に肺内に残る空気の量であり、直接測定することはできません。通常、以下のいずれかの方法で間接的に算出されます。 1. 全肺気量(TLC)から肺活量(VC)を引く方法(RV = TLC - VC)。この場合、肺活量測定が残気量算出に必要となります。 2. 機能的残気量(FRC)から予備呼気量(ERV)を引く方法(RV = FRC - ERV)。この場合、機能的残気量測定が必須となります。 機能的残気量(FRC)は、ヘリウム希釈法や体プレチスモグラフ法などで測定されます。したがって、本問で2つ選ぶ場合、最も直接的に残気量算出に寄与する「肺活量測定」と「機能的残気量測定」が正答となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。残気量は、全肺気量から肺活量を差し引くことで算出されます(RV = TLC - VC)。したがって、肺活量の測定は残気量を求める上で必要な要素です。
- 2. 最大換気量測定は、単位時間あたりの最大換気能力(呼吸筋力や気道抵抗など)を評価する検査であり、残気量の算出には直接関係しません。正しくは:主に呼吸筋力や気道抵抗を評価する。選びやすい理由:肺機能を評価する一般的な検査の一つであるため、残気量とも何らかの関連があるように思えるかもしれません。混同注意:努力肺活量や1秒量といった、肺容量や気流速度の変化を伴う他の呼吸機能検査と混同する可能性があります。
- 3. 努力肺活量測定は、可能な限り早く息を吐き出す肺活量であり、主に気流制限の有無や程度を評価するために用いられます。残気量の算出には、通常の肺活量測定が使われます。正しくは:主に気流制限の有無や程度を評価する。選びやすい理由:「肺活量」という言葉が含まれるため、残気量の算出に必要だと誤解しやすいです。また、多くの呼吸機能検査で実施されるため、重要な項目だと感じられるかもしれません。混同注意:単純肺活量と努力肺活量の違い、およびそれぞれの検査が評価する内容を混同しやすいです。
- 4. 正解。残気量は、機能的残気量(FRC)から予備呼気量(ERV)を引くことで算出できます(RV = FRC - ERV)。したがって、機能的残気量の測定は残気量を求めるための必須項目の一つです。
- 5. クロージングボリューム測定は、肺の小気道が閉塞し始める肺容量を評価する検査であり、主に小気道病変の早期発見に用いられます。残気量の算出には直接関係ありません。正しくは:主に小気道機能の異常を評価する。選びやすい理由:比較的専門的な肺容量測定であるため、何らかの特別な肺容量を測定しているという印象から、残気量に関連すると思うかもしれません。混同注意:肺容量の概念全般や、各肺容量が示す病態と混同しやすいです。
国試ポイント
呼吸機能検査における肺気量分画の定義、各気量の測定方法、およびそれらの相互関係(特に算出式)は、国家試験で頻繁に問われる重要項目です。特に残気量や全肺気量は直接測定が難しいため、他の測定値から計算されることを理解しているかが試されます。
混同注意
肺気量分画(肺活量、一回換気量、予備吸気量、予備呼気量、残気量、機能的残気量、全肺気量)の名称と定義、およびそれらの算出式を混同しやすいです。また、努力肺活量や最大換気量など、他の呼吸機能検査の目的や評価内容と混同することもあります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、まず「残気量が直接測定できないこと」を思い出し、どの「直接測定可能な」気量と「他の気量」を組み合わせれば残気量が導き出せるかを考える。具体的には、全肺気量から肺活量を引く、または機能的残気量から予備呼気量を引くという関係性を想起する。
関連知識
肺気量分画の各要素の定義と基準値、各肺気量を測定する主な方法(例:スパイロメトリー、ヘリウム希釈法、体プレチスモグラフ法)、各肺気量の臨床的意義(例:残気量増加は閉塞性換気障害、全肺気量減少は拘束性換気障害)、主要な呼吸機能検査の目的と評価項目(1秒量、1秒率など)を理解しておくことが重要です。