呼吸機能検査の結果(別冊No. 4A)とフローボリューム曲線(別冊No. 4B)を別に示す。考えられる状態はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
肺機能検査結果ではVC、TLC、FRC、RVなどの肺容量がすべて予測値より低下しており拘束性換気障害を示唆しています。さらにDLcoとDLco/VAの著明な低下は、肺胞-毛細血管膜のガス交換機能障害を示し、間質性肺炎に典型的な所見です。フローボリューム曲線は、容量減少に伴う小型化を呈しており、これも拘束性換気障害に合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 肺の一部を切除した場合は、VC、TLCは減少しますが、残りの肺の機能が正常であれば、DLcoやDLco/VAは必ずしも著明に低下しません。また、フローボリューム曲線の形状は残存肺が正常であれば閉塞性変化を示しません。選びやすい理由:肺容量が減少する点で拘束性換気障害と一部共通するため。混同注意:拘束性換気障害全般
- 2. 気管支喘息は閉塞性換気障害であり、FEV1%が低下し、フローボリューム曲線は呼気流量の低下を示します。肺容量は正常または過膨張傾向を呈することがあります。本症例ではFEV1%は正常で、肺容量は減少しています。選びやすい理由:気道病変と誤解しやすいですが、フローボリューム曲線が特徴的です。混同注意:閉塞性換気障害(COPDを含む)
- 3. 正解。VC、TLC、FRC、RVなどの肺容量の減少は拘束性換気障害を示し、間質性肺炎の典型的な所見です。特にDLcoおよびDLco/VAの著明な低下は肺胞-毛細血管膜の線維化によるガス交換障害を強く示唆しており、間質性肺炎の診断に最も合致します。フローボリューム曲線も容量減少に伴う小型化を示しており、拘束性障害の典型パターンです。
- 4. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は閉塞性換気障害であり、FEV1%が低下し、RVやTLCは増加する傾向があります。フローボリューム曲線は、ピークフローが低下し、呼気終末まで流量が持続するスクープアウト型を示します。本症例ではFEV1%は正常で、肺容量は減少しています。選びやすい理由:一般的な呼吸器疾患であるため、選択肢として考えやすいかもしれません。混同注意:閉塞性換気障害(気管支喘息を含む)
- 5. 筋萎縮性側索硬化症による呼吸筋障害も拘束性換気障害を呈しますが、主にVCが減少し、TLCやFRCも減少します。しかし、DLcoの低下は通常見られません。DLcoの著明な低下は、肺実質のガス交換能の障害を示唆するため、呼吸筋障害では通常は認められません。選びやすい理由:VCやTLCの減少という点で拘束性換気障害と共通するため。混同注意:神経筋疾患による拘束性換気障害
国試ポイント
拘束性換気障害と閉塞性換気障害の呼吸機能検査所見(肺容量、FEV1%など)とフローボリューム曲線の特徴を覚えること。特にDLcoの低下が間質性肺炎の診断に重要であることを理解すること。
混同注意
閉塞性換気障害と拘束性換気障害の区別。フローボリューム曲線の典型的な形状を覚えておくことが重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まずVC、TLC、FRCといった肺容量が減少しているか(拘束性)またはFEV1%が低下しているか(閉塞性)を確認し、次にDLcoの値をチェックしてガス交換障害の有無を判断します。フローボリューム曲線も形状を確認します。
関連知識
拘束性換気障害を呈する疾患には、間質性肺炎の他に肺線維症、胸膜疾患、胸郭変形、神経筋疾患などがあります。閉塞性換気障害はCOPDや気管支喘息などで見られます。DLcoは肺胞-毛細血管膜の異常で低下します。