30歳の女性。出産後に発熱が続き、蝶形紅斑および蛋白尿を認めたため入院した。腎生検を行い、蛍光抗体法によってC1qを染色した結果(別冊No. 12)を別に示す。 この患者に認められる可能性の高い自己抗体はどれか。2つ選べ。

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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
全身性エリテマトーデス(SLE)の患者で認められる可能性が高い自己抗体は、スクリーニングマーカーである抗核抗体と、疾患特異性が高く活動性と関連の深い抗DNA抗体です。他の選択肢の抗体は、多発性筋炎/皮膚筋炎、自己免疫性肝炎、限局型全身性硬化症(CREST症候群)など、他の自己免疫疾患に特異的な抗体です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。抗核抗体は全身性エリテマトーデス(SLE)のほぼ全例で陽性となるスクリーニング検査です。患者が全身性エリテマトーデス(SLE)であるという文脈が与えられているため、可能性が高い自己抗体として適切です。
- 2. 抗Jo-1抗体は主に多発性筋炎/皮膚筋炎の患者、特に間質性肺炎を合併する場合に陽性となる自己抗体です。全身性エリテマトーデス(SLE)の患者に認められる可能性は低いです。正しくは:この抗体は多発性筋炎/皮膚筋炎で高頻度に認められる。選びやすい理由:自己免疫疾患の自己抗体として一般的に知られているため、選択肢として魅力的かもしれない。混同注意:他の自己免疫疾患の特異抗体と混同しやすい。
- 3. 正解。抗DNA抗体(特に抗dsDNA抗体)は全身性エリテマトーデス(SLE)に特異性が高く、活動性の指標ともなる自己抗体です。SLE患者において高頻度に陽性となるため、可能性が高い自己抗体として適切です。
- 4. 抗平滑筋抗体は主に自己免疫性肝炎の患者で陽性となる自己抗体です。全身性エリテマトーデス(SLE)の患者に認められる可能性は低いです。正しくは:この抗体は自己免疫性肝炎で陽性となる。選びやすい理由:特定の臓器に特異的な自己抗体として一般的に知られているため、選択肢として魅力的かもしれない。混同注意:他の臓器特異的自己抗体と混同しやすい。
- 5. 抗セントロメア抗体は、主に限局型全身性硬化症(CREST症候群)の患者で陽性となる自己抗体です。全身性エリテマトーデス(SLE)の患者に認められる可能性は低いです。正しくは:この抗体は限局型全身性硬化症(CREST症候群)で陽性となる。選びやすい理由:自己免疫疾患の自己抗体として一般的に知られているため、選択肢として魅力的かもしれない。混同注意:他の膠原病の特異抗体と混同しやすい。
国試ポイント
特定の疾患と関連性の高い自己抗体の組み合わせを正確に識別できるか、特にSLEにおける主要な自己抗体を知っているかが問われています。鑑別診断に用いられる各自己抗体の特異性を理解しておくことが重要です。
混同注意
各自己抗体がどの自己免疫疾患に特異的であるか、あるいはどの疾患で高頻度に陽性となるかを混同しやすい。特に、全身性エリテマトーデス(SLE)と他の膠原病(例:強皮症、多発性筋炎)の鑑別に関わる自己抗体は混同されやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合は、まず疾患名と自己抗体名の組み合わせを想起し、その特異性や感度を基に判断します。スクリーニング抗体と特異的抗体の両方を問うパターンが多いです。
関連知識
全身性エリテマトーデス(SLE)の診断基準(改訂版米国リウマチ学会分類基準やSLICC分類基準)や、各自己抗体(抗核抗体、抗dsDNA抗体、抗Sm抗体、抗RNP抗体、抗SS-A/Ro抗体、抗SS-B/La抗体など)の役割について理解しておくことが重要です。また、他の膠原病(全身性硬化症、多発性筋炎/皮膚筋炎、関節リウマチなど)における代表的な自己抗体についても学習が必要です。