日本臨床化学会〈JSCC〉勧告法で、ヘキソキナーゼとグルコース-6-リン酸脱水素酵素の共役により測定されるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
クレアチンキナーゼ(CK)の測定におけるJSCC勧告法では、CKの触媒反応で生成されるATPを、ヘキソキナーゼ(HK)とグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PDH)を組み合わせた共役反応に利用します。具体的には、ATPとグルコースからHKがグルコース-6-リン酸(G-6-P)を生成し、次にG-6-PがG-6-PDHによって酸化される際にNADPHが生成されます。このNADPHの増加量を340nmの吸光度変化で測定することで、CK活性を算出します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。JSCC勧告法におけるCKの測定では、ヘキソキナーゼ-グルコース-6-リン酸脱水素酵素共役法が広く用いられます。この方法では、CKによって生成されたATPがヘキソキナーゼ反応に利用され、最終的にNADPHの生成量を測定します。
- 2. ASTの測定では、マラート脱水素酵素と乳酸脱水素酵素を共役させた方法(Reitman-Frankel法やJSCC勧告法に準拠した改良法など)が一般的です。正しくは:ASTの測定には、マラート脱水素酵素と乳酸脱水素酵素の共役反応が使われます。選びやすい理由:酵素反応を用いるため、他の酵素項目と混同しやすいかもしれません。混同注意:他の酵素測定法(LDHやALTなど)で使用される酵素共役系と混同しやすいです。
- 3. ALPの測定では、p-ニトロフェニルリン酸を基質とし、p-ニトロフェノールを生成させる方法(Bowers & McComb法やJSCC勧告法など)が一般的です。共役酵素系は使用されません。正しくは:ALPの測定では、主にp-ニトロフェニルリン酸を基質とした直接発色法が用いられます。選びやすい理由:多くの酵素が共役法で測定されるため、誤って選択しがちです。混同注意:共役酵素を使用する他の測定法と混同しやすいです。
- 4. γ-GTの測定では、γ-L-グルタミル-3-カルボキシ-4-ニトロアニリドなどを基質とし、放出されるp-ニトロアニリンの発色を測定する方法(Szasz法やJSCC勧告法など)が一般的です。共役酵素系は使用されません。正しくは:γ-GTの測定では、主にγ-L-グルタミル-3-カルボキシ-4-ニトロアニリドなどを基質とした直接発色法が用いられます。選びやすい理由:ALPと同様に、直接発色法を用いる酵素項目であるため、共役法と誤解しやすいです。混同注意:ALPなど、共役酵素を使わない他の酵素測定法と混同しやすいです。
- 5. アミラーゼの測定には、基質特異性の異なる様々な方法がありますが、代表的なものとしては、基質となる多糖をアミラーゼが分解し、その生成物をさらに別の酵素(グルコアミラーゼ、グルコース脱水素酵素など)を用いて測定する共役法があります。しかし、ヘキソキナーゼとグルコース-6-リン酸脱水素酵素の共役ではありません。正しくは:アミラーゼの測定には、グルコアミラーゼやグルコース脱水素酵素などを利用した共役法が使われることがありますが、ヘキソキナーゼとグルコース-6-リン酸脱水素酵素の共役ではありません。選びやすい理由:アミラーゼも酵素共役法で測定されることがあるため、共役系の具体的な酵素名を覚えていないと誤って選択しやすいです。混同注意:グルコアミラーゼ-グルコース脱水素酵素共役法など、他の共役酵素系と混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、臨床検査における主要な酵素測定項目と、それぞれの測定原理(特にJSCC勧告法で推奨されている酵素共役系)に関する知識を問うものです。各酵素項目でどの酵素共役系が使われているか、あるいは使われていないかを正確に理解しているかがポイントとなります。
混同注意
各酵素測定項目で用いられる共役酵素の組み合わせが混同しやすいです。特に、グルコース関連の酵素(ヘキソキナーゼ、グルコース-6-リン酸脱水素酵素、グルコース脱水素酵素、グルコアミラーゼなど)は複数の測定法に登場するため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の主要な酵素(AST, ALT, LDH, アミラーゼなど)のJSCC勧告法における測定原理や、使用される共役酵素の種類が問われる可能性が高いです。また、直接発色法と酵素共役法の違いも把握しておく必要があります。
関連知識
主要酵素(CK, AST, ALT, ALP, γ-GT, LDH, アミラーゼなど)のJSCC勧告法(またはそれに準ずる方法)における測定原理、基質、共役酵素、測定波長、阻害剤/賦活剤について理解しておく必要があります。