JAK2遺伝子変異が高頻度でみられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
JAK2遺伝子の変異、特にJAK2 V617F変異は、真性赤血球増加症(PV)の患者の95%以上に見られ、赤血球の産生を制御するエリスロポエチン経路の恒常的な活性化を引き起こし、赤血球の過剰産生につながるため、PVの診断マーカーとして極めて重要である。
選択肢ごとの解説
- 1. 多発性骨髄腫は形質細胞の腫瘍であり、JAK2遺伝子変異とは直接的な関連性は低い。主に染色体異常やその他の遺伝子変異(例: TP53、RAS、MYC)が関連する。正しくは:多発性骨髄腫は形質細胞の悪性腫瘍であり、JAK2遺伝子の変異は通常見られない。選びやすい理由:血液疾患であるため、広義の血液腫瘍として混同しやすい。混同注意:骨髄系の他の疾患や、遺伝子変異が関与する他の血液腫瘍。
- 2. 正解。真性赤血球増加症(PV)の95%以上の症例でJAK2遺伝子変異(主にV617F)が認められ、病態形成に深く関与する。これはPVの診断基準の一つである。選びやすい理由:(正答なので特になし)混同注意:(正答なので特になし)
- 3. Hodgkinリンパ腫(HL)はB細胞由来のリンパ腫であり、特徴的なReed-Sternberg細胞を認める。JAK2遺伝子変異はHLの病態とは関連しない。正しくは:Hodgkinリンパ腫はB細胞リンパ腫の一種であり、JAK2遺伝子の変異は通常見られない。選びやすい理由:リンパ腫も血液疾患であるため、関連疾患として混同しやすい。混同注意:他のリンパ系腫瘍や骨髄系腫瘍。
- 4. 急性骨髄性白血病(AML)は骨髄芽球の異常増殖を特徴とする。AMLにはFLT3、NPM1、CEBPAなどの多様な遺伝子変異が関連するが、JAK2遺伝子変異は一般的ではない。正しくは:急性骨髄性白血病にはNPM1、FLT3、CEBPAなどの遺伝子変異が認められるが、JAK2遺伝子変異は主要な原因ではない。選びやすい理由:骨髄性疾患であり、遺伝子変異が関与する血液腫瘍として混同しやすい。混同注意:他の骨髄増殖性腫瘍や骨髄異形成症候群。
- 5. 原発性マクログロブリン血症は、IgM型モノクローナルγグロブリン血症を伴うB細胞リンパ増殖性疾患である。MYD88 L265P変異が高頻度に見られるが、JAK2遺伝子変異とは関連しない。正しくは:原発性マクログロブリン血症ではMYD88 L265P変異が高頻度に見られるが、JAK2遺伝子の変異は通常見られない。選びやすい理由:B細胞由来の疾患であり、血液疾患であるため、関連疾患として混同しやすい。混同注意:多発性骨髄腫や他のリンパ増殖性疾患。
国試ポイント
骨髄増殖性腫瘍(MPN)における主要な遺伝子変異と疾患の関連性を覚える。
混同注意
JAK2変異が認められる他のMPN(本態性血小板血症、原発性骨髄線維症)との比率や、それぞれに特徴的な他の遺伝子変異(CALR、MPL)との区別。
次に同じ論点が出たら
JAK2遺伝子変異と聞いて、真性赤血球増加症(PV)が最も頻度が高い疾患であることを想起できるか、また、他の骨髄増殖性腫瘍との関連性を区別できるか。
関連知識
骨髄増殖性腫瘍(MPN)には、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(PMF)が含まれる。PVではJAK2変異が最も高頻度に見られ、ETやPMFでもJAK2、CALR、MPL遺伝子の変異が認められる。これらの変異は診断基準の一部である。