血小板減少とPT延長をともに認めるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
肝硬変では肝臓での凝固因子の産生低下、血小板減少、線溶亢進が起こり、PT延長と血小板減少が同時に観察されます。DICでは、凝固亢進による血小板消費と凝固因子の消費が同時に進行するため、PT延長と血小板減少が同時に起こります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肝硬変では、肝臓での凝固因子の産生能低下(特にII、VII、IX、X因子)、脾機能亢進による血小板の破壊・貯留、骨髄抑制、葉酸欠乏などが複合的に作用し、PT延長と血小板減少が同時に観察されます。選びやすい理由:肝硬変が凝固異常を引き起こす代表的な疾患であるという認識から選択しやすい。混同注意:単なる凝固因子欠乏症(PTのみ延長)と混同しやすい。
- 2. 血友病Aは第VIII因子の欠乏による凝固障害であり、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が延長しますが、血小板数やプロトロンビン時間(PT)は通常正常です。正しくは:APTTの延長。選びやすい理由:凝固異常疾患の一つであるため、出血傾向があることからPT延長と関連付けやすい。混同注意:他の凝固異常症や血小板減少症と混同しやすい。PTとAPTTの違いを理解していないと誤る。
- 3. 正解。播種性血管内凝固症候群(DIC)は、基礎疾患により全身の血管内で凝固が亢進し、血小板や凝固因子が消費されるため、血小板数の減少とプロトロンビン時間(PT)の延長が同時に観察されます。フィブリノゲン低下やD-ダイマー上昇も特徴です。選びやすい理由:DICが凝固亢進と出血傾向の両方を呈する病態として有名であるため選択しやすい。混同注意:単なる血小板減少症や単なる凝固因子欠乏症と混同しやすい。
- 4. フォン・ヴィルブランド病(VWD)はフォン・ヴィルブランド因子(vWF)の質的・量的異常による疾患であり、一次止血異常と第VIII因子活性の低下による二次止血異常を呈します。出血時間やAPTTが延長することがありますが、PTは通常正常であり、血小板数も通常は正常です(ただし一部の病型で血小板機能異常を伴うことはある)。正しくは:出血時間の延長、APTTの延長(一部)。選びやすい理由:出血傾向がある疾患であるため、PT延長や血小板減少と関連付けやすい。混同注意:血友病Aや他の凝固異常症、血小板機能異常症と混同しやすい。vWFの多岐にわたる機能の理解不足。
- 5. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、自己抗体により血小板が破壊され、血小板数が減少する疾患ですが、凝固因子は正常であるため、プロトロンビン時間(PT)は通常正常です。正しくは:血小板数の減少。選びやすい理由:血小板減少が明らかな疾患であるため、問題文の血小板減少と一致することから選択しやすい。混同注意:血小板減少と凝固因子異常を混同しやすい。PTが正常である点を見落としやすい。
国試ポイント
凝固・線溶系の各疾患における主要な検査所見(血小板数、PT、APTT、フィブリノゲンなど)を正確に覚えることが重要です。特に複数の異常が同時に起こる病態を理解しましょう。
混同注意
凝固系異常と血小板異常は異なる機序で出血傾向を呈しますが、DICや肝硬変のように両者が複合的に関与する病態があるため、それぞれの病態生理を区別して理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず血小板数、PT、APTT、フィブリノゲン、D-ダイマーなどの検査値を個別に確認し、それぞれの病態生理と照らし合わせて判断します。特に複数の検査値が異常を示す病態に注目します。
関連知識
止血機構は一次止血(血小板血栓形成)と二次止血(凝固因子によるフィブリン形成)に大別され、それぞれが連動して機能します。一次止血異常は出血時間延長、二次止血異常はPT/APTT延長と関連します。