免疫グロブリンで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
IgEはアレルギー反応に深く関与する免疫グロブリンであり、その主要な機能の一つは肥満細胞や好塩基球の表面に存在するFcεRI受容体(高親和性IgE受容体)に結合することです。この結合により、アレルゲンが再び侵入した際にIgEが架橋され、細胞からのヒスタミンなどの化学伝達物質の放出が引き起こされ、即時型アレルギー反応が誘発されます。
選択肢ごとの解説
- 1. IgAは分子量が大きく、また構造的な特性から胎盤を通過しません。胎盤通過性を持つのはIgGのみです。正しくは:IgGは胎盤を通過することができます。選びやすい理由:母体から新生児へ移行する免疫は重要であるため、IgAも関係していると誤解しやすいかもしれません。しかし、IgAは主に粘膜免疫に関与し、母乳を介して新生児に移行します。混同注意:IgGの胎盤通過性と、IgAの母乳を介した移行を混同する可能性があります。
- 2. IgDはB細胞の表面に存在し、抗原レセプターとして機能します。T細胞にはT細胞レセプター(TCR)が存在します。正しくは:IgDはB細胞の表面に存在しています。選びやすい理由:免疫細胞の表面に存在する免疫グロブリンという点は正しいですが、具体的な細胞種を誤認しやすいです。混同注意:B細胞とT細胞、それぞれの細胞表面に発現する受容体の種類(IgDとTCR)を混同する可能性があります。
- 3. 正解。IgEは、肥満細胞や好塩基球の表面に存在するFcεRI受容体に結合します。これにより、アレルギー反応の誘発に関与します。正しくは:正しいため修正不要です。選びやすい理由:特になし。IgEとアレルギー反応、肥満細胞の関連は基本的な知識です。
- 4. IgGは古典経路を通じて補体を活性化する主要な免疫グロブリンの一つです(特にIgG1, IgG2, IgG3サブクラス)。正しくは:IgGには補体を活性化する能力があります。選びやすい理由:補体活性化に関与する免疫グロブリンが複数あるため、どれがどの役割を果たすか混同しやすいかもしれません。しかし、IgGは代表的な補体活性化因子です。混同注意:IgMが補体活性化に非常に効率的であるため、IgGの補体活性化能を見落としがちになる可能性があります。
- 5. 分泌成分と結合して粘膜局所で機能するのは分泌型IgAです。IgMは血中で主に五量体として存在し、初感染時に主要な役割を果たします。正しくは:分泌型IgAは分泌成分と結合しています。選びやすい理由:IgMもIgAも多量体を形成するため、その構造的な特徴を混同しやすいかもしれません。しかし、分泌成分はIgA特有のものです。混同注意:IgMの五量体構造と、分泌型IgAの分泌成分結合を混同する可能性があります。
国試ポイント
免疫グロブリンの各クラス(IgG, IgA, IgM, IgD, IgE)について、それぞれの主要な機能、特徴的な構造、局在、および関連する疾患を正確に理解しているかが問われます。特に、胎盤通過性、補体活性化、アレルギー関与、粘膜免疫、初感染時の応答、B細胞表面受容体としての役割などが頻出です。
混同注意
各免疫グロブリンの機能、特に胎盤通過性(IgG)、補体活性化能(IgG, IgM)、分泌成分(IgA)、B細胞受容体(IgD, IgM)、アレルギー関与(IgE)を混同しやすいです。また、多量体構造(IgM, IgA)も混乱しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、各免疫グロブリンが担う主要な生理機能(例: アレルギー、粘膜免疫、胎盤通過、補体活性化、B細胞活性化)と、そのクラスに特有の構造的特徴(例: 重鎖の種類、J鎖、分泌成分、単量体/多量体)を結びつけて確認するようにします。
関連知識
各免疫グロブリンのサブクラスの特性、J鎖の役割、分泌成分の役割、Fc受容体の種類と分布、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、オプソニン化、抗体価の測定法(ELISA、凝集反応など)に関する知識も関連します。