蛍光顕微鏡の観察に適しているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
蛍光顕微鏡は、特定の波長の励起光を照射し、それによって標識物質から発せられる蛍光を観察する装置です。そのため、蛍光を発する性質を持つ物質が標識として必要不可欠です。ローダミンは、フィコエリトリン、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)などと並ぶ代表的な蛍光色素であり、多くの蛍光免疫染色や細胞の可視化に用いられています。
選択肢ごとの解説
- 1. 金コロイドは、主に電子顕微鏡観察における免疫組織化学染色や、光散乱を利用した比色分析などに用いられます。蛍光を発しないため、蛍光顕微鏡の光源では検出できません。正しくは:蛍光を発する物質に置き換える必要があります。選びやすい理由:免疫染色で用いられる標識物質という点で選択肢として紛らわしいかもしれませんが、観察原理が異なります。混同注意:蛍光標識物質
- 2. ルミノールは化学発光試薬であり、酵素反応などによって光を自ら発しますが、外部からの光(励起光)によって蛍光を発する物質ではありません。そのため、蛍光顕微鏡の観察には適していません。正しくは:蛍光を発する物質に置き換える必要があります。選びやすい理由:光を発するという点で蛍光と混同しやすいですが、発光のメカニズムが異なります。混同注意:蛍光物質
- 3. 正解。ローダミンは代表的な蛍光色素の一つで、緑色の励起光を吸収し、赤色の蛍光を発します。細胞や組織の染色、免疫蛍光法など、蛍光顕微鏡を用いた観察に広く利用されています。
- 4. ルシフェリンはホタルなどに見られる生物発光に関与する基質であり、酵素ルシフェラーゼとの反応によって光(生物発光)を自ら発します。外部からの励起光による蛍光を示す物質ではないため、蛍光顕微鏡の観察には適しません。正しくは:蛍光を発する物質に置き換える必要があります。選びやすい理由:光を発するという点で蛍光と混同しやすいですが、発光のメカニズムが異なります。混同注意:蛍光物質
- 5. ルテニウム錯体の中には電気化学発光や化学発光を示すものがありますが、一般的に蛍光顕微鏡観察で用いられる主要な蛍光色素ではありません。生体材料の標識として汎用されているわけではありません。正しくは:汎用的な蛍光色素に置き換える必要があります。選びやすい理由:錯体であり、蛍光性を示すものもあるため、選択肢として考慮するかもしれませんが、一般的ではありません。混同注意:蛍光色素
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、検査機器の原理とそれに使用される試薬の特性を結びつけた知識が問われます。特に、免疫染色や遺伝子検査などで用いられる標識物質については、その種類と特性(蛍光、発光、酵素、放射性同位体など)を正確に理解しているかが重要です。この問題は、蛍光顕微鏡という特定の観察法に対して、適した標識物質を選ぶという、基礎的な知識を問うものです。
混同注意
蛍光、化学発光、生物発光の違い。それぞれの観察原理に適した標識物質。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、まず『どのような観察法・検出原理か』を特定し、その原理に合致する『標識物質の特性』を判断します。特に蛍光、発光、吸光、放射能などの物理化学的特性と、それを利用する検査法を紐付けて考えることが重要です。
関連知識
FITC、DAPI、Alexa Fluor、Cy色素などの他の蛍光色素。蛍光免疫染色法、フローサイトメトリー、FISH(蛍光in situハイブリダイゼーション)などでの蛍光色素の応用。電子顕微鏡観察に用いられる標識物質(金コロイド、フェリチンなど)。