発育に二酸化炭素が必須な細菌はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
淋菌(Neisseria gonorrhoeae)は、炭酸ガス培養(5〜10% CO2)を必須とする代表的な細菌です。これは、淋菌が炭酸ガスを炭素源として利用する、または特定の酵素活性にCO2が必要であるためと考えられています。
選択肢ごとの解説
- 1. 百日咳菌の培養には、CO2の追加は必須ではありません。血液寒天培地などで培養可能です。正しくは:百日咳菌は、ボルデー・ジャンクー培地やレングリニッチ培地で培養されますが、CO2は必須ではありません。選びやすい理由:特定の発育条件を要する細菌であるため、CO2要求菌と誤解されやすいかもしれません。混同注意:他の特殊な培養条件を要する細菌と混同しやすいです。
- 2. インフルエンザ菌の培養には、CO2は必須ではありません。X因子(ヘミン)とV因子(NAD)が必要です。正しくは:インフルエンザ菌はX因子とV因子を要求します。CO2は必須ではありません。選びやすい理由:血液寒天培地では発育せず、チョコレート寒天培地で発育するため、特殊な条件を要する細菌としてCO2要求菌と誤解されやすいです。混同注意:CO2要求菌ではなく、特定の成長因子(X因子、V因子)を要求する細菌と混同しやすいです。
- 3. レジオネラ菌の培養には、CO2は必須ではありません。L-システインと鉄イオンが必要です。正しくは:レジオネラ菌はL-システインと鉄イオンを要求します。CO2は必須ではありません。選びやすい理由:BCYEα培地という特殊な培地を用いるため、CO2要求菌と誤解されやすいです。混同注意:CO2要求菌ではなく、特定の栄養因子(L-システイン、鉄イオン)を要求する細菌と混同しやすいです。
- 4. 正解。淋菌は、炭酸ガス培養が必須の発育条件です。5〜10%のCO2濃度で培養することで良好に発育します。選びやすい理由:性感染症の病原菌として有名で、培養が難しいことで知られていますが、具体的な条件を把握していないと選択できません。混同注意:他の特殊な培養条件を要する細菌と混同しやすいですが、淋菌は典型的なCO2要求菌です。
- 5. 緑膿菌は好気性菌であり、通常の空気(21%酸素)があれば特別なCO2の添加は不要です。正しくは:緑膿菌は好気性菌であり、幅広い環境で増殖可能です。CO2は必須ではありません。選びやすい理由:幅広い環境で増殖できるため、特殊な条件を要求しないと判断しやすいです。混同注意:CO2を必須としない好気性菌として、他の一般的な細菌と区別できているかが問われます。
国試ポイント
特定の培養条件下でしか発育しない細菌、特にCO2要求菌、嫌気性菌、特定の栄養素要求菌について、その代表例と要求される条件を正確に理解しているかが問われます。主にグラム染色と合わせて出題されることも多いです。
混同注意
特殊な培養条件を要求する他の細菌(例: ヘモフィルス属のX/V因子要求、レジオネラ属のL-システイン/鉄イオン要求、カンピロバクター属の微好気性・CO2要求など)と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、他の特殊な培養条件(例:X因子、V因子、L-システイン、鉄イオン、嫌気条件、微好気条件、高塩濃度など)を要求する細菌について問われる可能性が高い。また、グラム染色性や菌の形態と合わせて、同定の手がかりとして提示されることも考慮する。
関連知識
炭酸ガス培養:一般的に、ガスパック(培養器内でCO2を発生させる薬剤)や炭酸ガスインキュベーターを用いて行われる。微好気性菌の中にもCO2を要求するものがいる(例:Campylobacter spp.)。好気性菌、嫌気性菌、通性嫌気性菌の定義と代表例。各細菌の主要な培養培地。