肝硬変の超音波所見はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
肝硬変は、肝臓の慢性の炎症と線維化が進行し、正常な肝実質が破壊され、再生結節が形成される状態です。この病態により、肝臓の表面は凹凸不整となり、超音波検査で特徴的な所見として捉えられます。その他の選択肢は、別の疾患の超音波所見や、肝硬変では典型的でない所見を述べています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肝硬変では、肝実質の線維化と再生結節形成により、肝臓の表面が凹凸不整(結節性)になります。これは超音波検査で確認できる典型的な所見です。
- 2. カメレオンサインは、急性虫垂炎において超音波プローブで圧迫した際に、腫大した虫垂の虚脱能が変化することを示す所見であり、肝硬変とは関連がありません。正しくは:カメレオンサインは急性虫垂炎でみられる超音波所見です。選びやすい理由:超音波所見の一つとして提示されているため、知っていると迷う可能性があります。混同注意:他の疾患の超音波所見と混同する可能性があります。
- 3. ブルズアイサイン(target signとも呼ばれる)は、超音波検査において肝臓や他の臓器に転移したがんを示す典型的所見であり、特に中心壊死を伴う転移性肝腫瘍などで見られます。肝硬変そのものの所見ではありません。正しくは:ブルズアイサインは転移性肝腫瘍などでみられる超音波所見です。選びやすい理由:これも超音波所見の一つとして、疾患との関連を問われる場合に選択肢になりやすいです。混同注意:様々な疾患の超音波所見の名称と混同する可能性があります。
- 4. 肝硬変では、肝実質の線維化により超音波の透過性が低下し、肝深部エコーの減衰がみられることがあります。ただし、これは肝硬変に特異的というよりも、脂肪肝などのびまん性肝疾患でも見られる所見であり、肝硬変に特徴的な「肝表面の不整」に比べると優先度が低いです。また、肝実質の不均一性により減衰が強まることはありますが、質問の意図としてはより特異的な所見を求めています。正しくは:肝硬変では、肝実質の不均一性や線維化により深部エコーの減衰が見られる場合がありますが、「肝表面の不整」はより特徴的な所見です。また、肝腎コントラストの『増強』は脂肪肝で見られます。選びやすい理由:実際に肝硬変で深部エコーの減衰が見られることもあるため、知識が曖昧だと正しいと誤解しやすいです。混同注意:脂肪肝の深部エコー減衰と混同しやすいです。
- 5. 肝腎コントラストの増強は、主に脂肪肝で見られる所見です。脂肪肝では肝臓のエコーレベルが上昇するため、隣接する腎臓の皮質エコーとのコントラストが明瞭になります。肝硬変では通常見られません。正しくは:肝腎コントラストの増強は主に脂肪肝で見られる所見です。選びやすい理由:肝疾患の超音波所見として一般的な知識であるため、肝硬変にも当てはまると誤解しやすいです。混同注意:脂肪肝の超音波所見と混同しやすいです。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な疾患における超音波検査の典型的な所見を問う問題が頻繁に出題されます。特に肝硬変、脂肪肝、胆石症、腎疾患など、発生頻度の高い疾患や重要な鑑別を要する疾患の画像所見は重要です。今回は肝硬変の最も特徴的な形態的変化が問われています。
混同注意
脂肪肝や肝腫瘍など、他の肝疾患の超音波所見と混同しやすいです。特に、深部エコーの減衰や肝腎コントラストの変化は複数の肝疾患で関連する概念のため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、肝硬変の基本的な病態生理とそれに基づく形態的変化が超音波でどのように描出されるかを想起できるかを確認します。特に疾患に特異的な所見と、非特異的な所見を区別できるかがポイントです。
関連知識
肝硬変の超音波所見には、肝表面の不整、肝実質エコーの粗造化・不均一化、脾腫、腹水、門脈拡張、側副血行路の形成などがあります。カメレオンサインは急性虫垂炎、ブルズアイサインは転移性肝腫瘍に典型的です。肝腎コントラスト増強は脂肪肝に典型的です。