乳腺の単純性囊胞の超音波所見はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
乳腺の単純性嚢胞は液体成分で満たされており、超音波が内部を透過する際に減衰が少ないため、嚢胞の壁と周囲組織との音響インピーダンス差が明瞭になり、結果として辺縁が鮮明に区別される所見が得られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 側方に音響陰影が見られるのは、線維腺腫などの充実性病変や石灰化、あるいは強い屈折を起こす構造物で観察されることがあり、単純性嚢胞の典型的な特徴ではありません。正しくは:側方陰影は、通常、硬い充実性病変や石灰化などで認められる。選びやすい理由:超音波画像診断におけるアーチファクトの一つであり、他の病変でみられるため選択肢として魅力的に見える可能性があります。混同注意:充実性腫瘤の所見や、石灰化の所見。
- 2. 病変の後方に音響陰影が認められるのは、超音波が内部を通過できない空気や石灰化、骨などの非常に硬い構造物で観察される所見です。単純性嚢胞では、超音波が液体を容易に透過するため、後方エコー増強(輝度が増す)が認められます。正しくは:病変の後方に音響増強が認められる。選びやすい理由:「音響」という言葉が共通しているため、増強と陰影を混同しやすい。また、後方変化が起こるという点は共通しているため。混同注意:後方エコー増強と後方音響陰影。後方エコー増強は液体成分、後方音響陰影は硬い成分(石灰化、骨、ガス)で生じる。
- 3. 正解。単純性嚢胞は均一な液体で満たされており、周囲組織との境界面が滑らかで明瞭であるため、超音波が境界面で反射・屈折しにくく、辺縁が鮮明に区別されます。選びやすい理由:正しい記述であり、特徴をよく表しているため。
- 4. 境界部分に低エコーの帯があるのは、充実性病変、特に悪性腫瘍で周囲組織への浸潤を示唆する所見として見られることがあり、単純性嚢胞には典型的ではありません。正しくは:低エコーの帯は、悪性腫瘍の浸潤を示唆する所見として見られることがある。選びやすい理由:乳腺病変の超音波所見の一つとして知られているため、一般的な知識として誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:充実性腫瘤、特に悪性腫瘍の浸潤所見。
- 5. 病変内部に点状の高エコー像が見られるのは、充実性病変の内部エコーや、嚢胞内の沈殿物・出血・腫瘍性成分などで認められる所見であり、単純性嚢胞は内部が無エコー(均一な液体)です。正しくは:単純性嚢胞は、病変内部にエコー源を認めず、無エコーである。選びやすい理由:嚢胞内に何らかの異常がある場合、このように見える可能性があるため。しかし、これは「単純性」ではない嚢胞の特徴です。混同注意:充実性腫瘤、あるいは内部に複雑な成分を含む複雑性嚢胞の所見。
国試ポイント
乳腺単純性嚢胞の超音波検査での典型的特徴(無エコー、後方エコー増強、辺縁鮮明)を覚える。
混同注意
充実性腫瘤との区別。充実性腫瘤は内部エコーを有し、後方エコー増強は通常見られないか、あっても軽度である。
次に同じ論点が出たら
「無エコー」「後方エコー増強」「辺縁鮮明」のいずれかのキーワードがあるか、またはこれらの所見が複合して記述されているか。
関連知識
乳腺嚢胞は良性病変であり、内部に充実成分を認めない限り経過観察となることが多い。穿刺吸引の適応も理解しておく。