臨床的意義のある不規則抗体はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
不規則抗体の中で臨床的に意義が高いとされるのは、主にIgGクラスで37℃で反応し、胎盤を通過して新生児溶血性疾患(HDN)を引き起こしたり、溶血性輸血副作用の原因となったりする抗体です。Rh式血液型抗体の抗CはIgGクラスであり、これに該当するため臨床的意義が最も高いと判断されます。一方、抗Leb、抗N、抗P1、抗Xgaなどは、主にIgMクラスの寒冷凝集素であったり、重篤な溶血反応を引き起こすことが稀であったりするため、臨床的意義は低いとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。抗C抗体はRh式血液型抗体の一つで、IgGクラスの抗体です。これは胎盤を通過し、輸血副作用や新生児溶血性疾患(HDN)を引き起こす可能性があるため、臨床的に非常に重要視されています。
- 2. 抗Leb抗体はLewis式血液型抗体の一つで、主にIgMクラスの抗体です。これは生体内で産生されることは稀であり、体外では赤血球に吸着しますが、体内ではすぐに解離するため、通常は臨床的な意義は低いとされています。ただし、まれに溶血反応を引き起こす報告もありますが、一般的な不規則抗体スクリーニングの対象となるような重篤な反応は稀です。正しくは:抗Leb抗体は臨床的意義が低いとされることが多い。選びやすい理由:血液型抗体であるため、ある程度の重要性があると感じるかもしれない。混同注意:ABO式やRh式などの臨床的意義の高い血液型抗体と混同しやすい。
- 3. 抗N抗体はMN式血液型抗体の一つで、通常は臨床的な意義が低いとされるIgMクラスの寒冷凝集素です。稀に輸血反応を引き起こすことがありますが、重篤な反応は一般的ではありません。正しくは:抗N抗体は通常、臨床的意義が低い。選びやすい理由:MN式も主要な血液型の一つであるため、重要そうに感じるかもしれない。混同注意:他の主要な血液型抗体、特にRh式抗体のような意義の高い抗体と混同しやすい。
- 4. 抗P1抗体はP式血液型抗体の一つで、IgMクラスの寒冷凝集素です。通常は臨床的意義が低いとされています。まれに輸血反応を引き起こすことがありますが、重篤な溶血性輸血副作用の原因となることは稀です。正しくは:抗P1抗体は通常、臨床的意義が低い。選びやすい理由:P式も血液型抗体であるため、注意が必要だと考えるかもしれない。混同注意:ダナー・ランドシュタイナー抗体(P抗体)とは異なる。
- 5. 抗Xga抗体はXga式血液型抗体の一つで、臨床的意義は低いとされています。輸血反応や新生児溶血性疾患の原因となることはほとんどありません。正しくは:抗Xga抗体は臨床的意義が低い。選びやすい理由:X連鎖遺伝のため、特殊なケースで重要そうに感じるかもしれない。混同注意:性染色体に関連する血液型抗体であることから、他の血液型抗体と異なる特徴を持つため、特別視されやすい。
国試ポイント
不規則抗体の中でも、特に輸血や妊娠において臨床的意義が高い(IgGクラス、胎盤通過性、溶血性輸血副作用・新生児溶血性疾患の原因となる)抗体の種類を正確に理解しているかを問う問題です。各血液型抗体のクラス(IgG/IgM)と、それによって決まる生理的な特性(胎盤通過性、至適反応温度など)の知識が重要となります。
混同注意
多くの血液型抗体が存在するため、どの抗体がIgGで臨床的意義が高いのか、どの抗体がIgMで臨床的意義が低いのかを混同しやすい。特に、主要な血液型(ABO, Rh, MN, Lewis, Kidd, Duffyなど)に属する抗体であっても、そのすべてが臨床的に同等の重要性を持つわけではない点。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず選択肢の抗体がRh式、Kidd式、Duffy式などIgGクラスが主で臨床的意義が高いグループに属するか、それともLewis式、MN式、P式などIgMクラスが主で臨床的意義が低いグループに属するかを判断する。
関連知識
血液型抗体の種類、抗体クラス(IgG、IgM)、至適反応温度、胎盤通過性、溶血性輸血副作用、新生児溶血性疾患(HDN)、間接クームス試験、不規則抗体スクリーニングの目的と意義。