1気圧の大気を吸入した時、PaO2 88 Torr、PaCO2 40 Torrであった。肺胞気動脈血酸素分圧較差[Torr]はどれか。ただし、呼吸商は0.8とする。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
肺胞気酸素分圧(PAO2)は以下の式で計算されます:PAO2 = FIO2 × (P_大気圧 - P_水蒸気圧) - (PaCO2 / R)。ここで、FIO2(吸入気酸素濃度)は標準気圧下では0.21、P_大気圧は760 Torr、P_水蒸気圧は47 Torr、PaCO2は40 Torr、R(呼吸商)は0.8と与えられています。PAO2 = 0.21 × (760 - 47) - (40 / 0.8) = 0.21 × 713 - 50 = 149.73 - 50 = 99.73 Torr。肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)は PAO2 - PaO2 で求められるため、A-aDO2 = 99.73 - 88 = 11.73 Torrとなります。四捨五入すると約12 Torrで、選択肢2の「12」が公式正答と一致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 肺胞気-動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)は、肺胞気酸素分圧(PAO2)から動脈血酸素分圧(PaO2)を引いて求めます。PAO2 = FIO2 × (大気圧 - 水蒸気圧) - PaCO2 / 呼吸商 で、FIO2は0.21、大気圧は760 Torr、水蒸気圧は47 Torrです。PAO2 = 0.21 × (760 - 47) - 40 / 0.8 = 0.21 × 713 - 50 = 149.73 - 50 = 99.73 Torr。A-aDO2 = PAO2 - PaO2なので、A-aDO2 = 99.73 - 88 = 11.73 Torrとなります。計算結果は約12 Torrであり、2 Torrにはならないため誤りです。正しくは:PAO2とPaO2の差を正しく計算すると11.73 Torr(約12 Torr)となり、選択肢2の「12」が正答となる。選びやすい理由:選択肢の値「2」と、正答の選択肢番号「2」を取り違えると選びやすい。混同注意:呼吸商の使い忘れや、大気圧からの水蒸気圧の減算を忘れると計算が狂う。
- 2. 正解。正確な計算結果(11.73 Torr)を四捨五入すると12 Torrとなり、この選択肢が公式正答(選択肢2)である。正しくは:正しい計算式を適用し、正確なPAO2を求め、PaO2との差を計算する。PAO2 = 0.21 * (760 - 47) - 40 / 0.8 = 99.73 Torr。A-aDO2 = 99.73 - 88 = 11.73 Torr。四捨五入すると12 Torr。選びやすい理由:計算結果に最も近い数値であるため、多くの受験者がこれを選びがちである。混同注意:11.73の丸め方や、選択肢の値「2」と選択肢番号2の取り違えで迷うことがある。
- 3. この数値は、計算ミスや、例えばPaCO2を呼吸商で割らずにそのまま引いたり、大気圧の扱いに誤りがあった場合に導き出される可能性がある。正しくは:正しい計算式と数値を適用する。選びやすい理由:単純な加減算の誤りや、式の要素の取り違えがあった場合。混同注意:PAO2の計算式を完全に理解していないと、このような誤った値になることがある。
- 4. この数値は、PAO2の計算式において、吸入酸素濃度(FIO2)と(大気圧 - 水蒸気圧)の積を大幅に誤るか、PaCO2/呼吸商の項の扱いを誤るなど、大きな計算ミスがあった場合に考えられる。正しくは:正しい計算式と数値を適用する。選びやすい理由:複数の数値の組み合わせで偶然この値になる可能性は低い。混同注意:基礎的な計算式や定数への理解不足。
- 5. この数値は、PAO2の計算式を根本的に間違えているか、非常に大きな計算ミスをしている場合に導かれる。例えば、PaO2とPaCO2を足し算してしまったりするような誤り。正しくは:正しい計算式と数値を適用する。選びやすい理由:非常に間違った計算をしてしまうと、このような数値が出ることもある。混同注意:完全に式の構造を理解していない場合。
国試ポイント
肺胞気-動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)の計算式と、その各要素の意味を正確に理解しているかが問われる。特に、PAO2の算出に必要な大気圧、水蒸気圧、吸入気酸素濃度、呼吸商の値を正しく適用できるかが重要である。
混同注意
PAO2の計算式で使用する各数値(大気圧、水蒸気圧、FIO2、R)を誤る、あるいは計算順序を間違える。特にPaCO2を呼吸商で割るのを忘れたり、水蒸気圧を引かないなどのミス。
次に同じ論点が出たら
もしA-aDO2の値が異常に高かった場合、その原因となる肺疾患の種類を特定するために、さらに追加の検査(胸部X線、肺機能検査など)や臨床情報の分析が必要となる。
関連知識
A-aDO2は肺でのガス交換効率を示す指標であり、その増加は肺疾患(換気血流不均衡、シャント、拡散障害など)を示唆する。ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式や酸素ヘモグロビン解離曲線など、他の呼吸生理学の計算や概念も関連が深い。