管理限界内での微妙な偏りの発見に最も適している精度管理図法はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
累積和管理図(CUSUM管理図)は、測定値が目標値から逸脱した量を累積していくことで、管理限界内でのわずかな平均値の変化やトレンドを高い感度で検出できる特徴があります。一般的なX管理図では見逃されがちな、連続的な小さな変動によるシステムエラーの兆候を早期に捉えるのに非常に有効な手法です。
選択肢ごとの解説
- 1. X管理図は主に個々の測定値のばらつきや平均値の変動を視覚化しますが、管理限界内でのわずかな変動傾向を早期に捉える能力は累積和管理図に劣ります。正しくは:管理限界内での微妙な偏りの発見には、累積和管理図がより適しています。選びやすい理由:最も基本的な管理図法であり、一般的な精度管理に広く用いられるため、選択肢として魅力的です。混同注意:累積和管理図やその他の敏感な管理図法との目的の違いが曖昧だと誤って選んでしまう可能性があります。
- 2. X-Rs管理図はX管理図の一種で、特定の変動パターンを検出することに特化していますが、管理限界内での連続的な小さな偏りを捉えるには、累積和管理図ほど鋭敏ではありません。正しくは:わずかな偏りの早期検出には、累積和管理図がより有効です。選びやすい理由:「Rs」という名称から、何らかの特定の変動パターン検出に特化しているように見えるため、正解に思えるかもしれません。混同注意:他の管理図法との検出感度の違いや、累積和管理図の特性を正確に理解していない場合に混同しやすいです。
- 3. 正解。累積和管理図は、過去の測定値と目標値との差を累積していくことで、管理限界内であってもごくわずかな平均値の変動や偏り、トレンドを統計的に非常に高い感度で検出できます。特に、微妙な変動を早期に発見するのに最も適しています。
- 4. この表記の管理図は一般的ではなく、問題文の意図する「微妙な偏りの発見」に対して、最も適した選択肢ではありません。正しくは:累積和管理図が、管理限界内でのわずかな偏りの発見に最も適しています。選びやすい理由:他の管理図法と組み合わされた複雑な名称から、高度な検出能力を持つと誤解する可能性があります。混同注意:標準的な管理図法の種類とそれぞれの特性を把握していない場合に、存在しない、あるいは不適切な選択肢を選んでしまう可能性があります。
- 5. Westgardのマルチルールは、特に臨床検査における精度管理で広く用いられ、複数の統計的ルールを組み合わせて異常を検出します。これにより検出感度は高まりますが、個々のルールは通常、X管理図やR管理図をベースとしており、管理限界内での『微妙な偏り』の早期検出において、累積和管理図ほどの鋭敏さはありません。正しくは:微妙な偏りの早期検出には累積和管理図が最も優れています。選びやすい理由:臨床検査の精度管理では非常に有名で、高度な異常検出法であるため、正解に思えやすいです。混同注意:Westgardのマルチルールが非常に強力な管理法であることは事実ですが、累積和管理図が持つ「小さな変動の連続的な累積検出」という特性とは異なるため、混同しやすいです。
国試ポイント
精度管理図の種類とそれぞれの特性、特に検出感度や検出できる異常のタイプに関する知識が問われています。累積和管理図の「管理限界内でのわずかな変動の早期検出」という特徴は重要です。
混同注意
X管理図、Westgardのマルチルールなど、他の主要な精度管理図法との検出能力の比較が混同されやすい点です。特に、Westgardのマルチルールも高感度ですが、累積和管理図とは検出のメカニズムが異なります。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、管理図の種類ごとに「どのような種類の異常を、どの程度の感度で検出するのに適しているか」という観点から、それぞれの管理図の特性を比較・検討できるよう準備しておくべきです。
関連知識
管理図の原理(管理限界、中心線)、各管理図(X管理図、R管理図、累積和管理図、EWMA管理図など)の適用範囲とメリット・デメリット、Westgardのマルチルールの各ルール(例: 1_2s, 1_3s, 2_2s, R_4sなど)とその意味。