特異的かつ遺伝的にプログラムされた生理的刺激による細胞死はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
アポトーシスは、細胞が自らの遺伝子プログラムに従って能動的に死滅する現象であり、「特異的かつ遺伝的にプログラムされた生理的刺激による細胞死」という定義に合致します。発生過程や組織のターンオーバー、がん細胞の排除など、生体にとって重要な役割を担っています。一方、壊疽や乾酪壊死、凝固壊死、融解壊死は、主に外部からの障害(虚血、感染、毒物など)によって引き起こされる受動的な細胞死である「壊死」の様々な形態であり、アポトーシスとはメカニズムが異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 壊疽は、組織が虚血や感染などにより広範囲に壊死を起こし、腐敗を伴う状態を指します。これはプログラムされた細胞死ではありません。正しくは:壊疽は虚血や感染などによる組織の広範な壊死と腐敗を指す。選びやすい理由:細胞死の一種であるため、誤って選択しやすいかもしれません。混同注意:プログラム細胞死(アポトーシス)とは異なり、組織の広範な壊死を指す。
- 2. 乾酪壊死は、結核菌感染などで見られる特殊な壊死形態で、壊死組織がチーズ状になる特徴があります。これも特定の刺激によるプログラムされた細胞死とは異なります。正しくは:乾酪壊死は結核菌感染などで見られるチーズ状の壊死形態である。選びやすい理由:壊死という言葉が含まれるため、細胞死の一種として混同しやすい可能性があります。混同注意:アポトーシスとは異なり、炎症反応の結果として生じる壊死の特殊な形態である。
- 3. 凝固壊死は、虚血性組織障害などで細胞が死んだ後も、細胞の輪郭が比較的保たれたまま凝固するタイプの壊死です。これはプログラムされた細胞死ではありません。正しくは:凝固壊死は虚血性組織障害などで見られ、細胞輪郭が保たれた壊死である。選びやすい理由:これも細胞死の一種であり、選択肢として考慮されやすいかもしれません。混同注意:アポトーシスとは異なり、細胞外環境の急激な変化(虚血など)によって引き起こされる細胞死の形態である。
- 4. 融解壊死は、脳梗塞や細菌感染巣などで、壊死した組織が融解して液状になるタイプの壊死です。これもプログラムされた細胞死ではありません。正しくは:融解壊死は脳梗塞などで見られ、壊死組織が融解して液状になる壊死である。選びやすい理由:細胞死の一種であるため、誤って選択する可能性があります。混同注意:アポトーシスとは異なり、酵素活性化による自己融解や細菌による融解によって生じる壊死の形態である。
- 5. 正解。アポトーシスは、発生や組織の恒常性維持のために、特定の生理的刺激や遺伝子プログラムに基づいて誘導される細胞死です。不要な細胞や異常な細胞が、周囲に影響を与えることなく除去される点で、壊死とは異なります。
国試ポイント
細胞死の種類とその特徴、特にアポトーシスと壊死の定義やメカニズムの違いを理解しているか問われます。臨床検査技師としては、病理学的検査や分子生物学的検査に関連する知識として重要です。
混同注意
アポトーシスと壊死(ネクローシス)の混同。特に壊死の様々なサブタイプ(凝固壊死、融解壊死、乾酪壊死など)との区別。アポトーシスは能動的・プログラムされた細胞死であり、周囲への炎症反応を伴わないが、壊死は受動的・偶発的な細胞死であり、周囲に炎症反応を引き起こすという点で大きく異なる。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、アポトーシスの細胞学的特徴(細胞縮小、核の断片化、アポトーシス小体の形成)や、カスパーゼの関与、あるいはアポトーシスが関与する生理的・病的状態(発生、自己免疫疾患、がんなど)が問われる可能性があります。
関連知識
プログラム細胞死の種類(アポトーシス、ネクロトーシス、オートファジー関連細胞死など)、細胞死におけるカスパーゼの役割、壊死の形態学的特徴(細胞腫大、核の変化など)、炎症との関連。