ヘモジデリンを染色する方法はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ベルリン青染色は、フェロシアン化カリウムと酸を用いた反応により、組織中の三価鉄イオン(Fe3+)を青色の沈殿物として可視化する特殊染色です。ヘモジデリンは鉄含有色素であり、その主成分が三価鉄であるため、ベルリン青染色によって青色に染め出されます。このため、ヘモジデリンの検出にはベルリン青染色が適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. コッサ反応は、組織内のカルシウム塩(石灰化)を検出する目的で行われる特殊染色法です。ヘモジデリン(鉄含有色素)とは検出対象が異なります。正しくは:コッサ反応はカルシウム(石灰化)を染色する。選びやすい理由:生体内の鉱物質を検出する点で、鉄と混同する可能性がわずかにあります。混同注意:他の無機成分を検出する染色法(例:鉄を検出するベルリン青染色)と混同しやすいかもしれません。
- 2. ニッスル染色は、神経細胞の細胞体や樹状突起に豊富に存在するニッスル小体(リボソームと粗面小胞体の複合体)を青紫色に染め出す方法です。ヘモジデリンの検出には用いられません。正しくは:ニッスル染色は神経細胞のニッスル小体を染色する。選びやすい理由:特定の細胞内構造を検出する染色法という点で、類推で選んでしまう可能性があります。混同注意:神経組織を対象とする他の染色法や、細胞内封入体(リポフスチンなど)を検出する他の染色法と混同することがあります。
- 3. グロコット染色は、真菌の細胞壁に含まれる多糖類をメセナミン銀で黒く染色し、真菌を特異的に検出するための方法です。ヘモジデリンの検出には適しません。正しくは:グロコット染色は真菌を染色する。選びやすい理由:病原体を検出する特殊染色として知られているため、他の特殊染色と混同しやすいです。銀染色の一種であるため、他の銀染色と区別しにくいかもしれません。混同注意:他の真菌染色法(例:PAS染色)や、他の銀染色(例:網内線維染色、フォンタナ・マッソン染色など)と混同しやすいです。
- 4. グリメリウス染色は、細胞内の銀親和性顆粒を検出する銀染色法で、主に神経内分泌細胞やその腫瘍(カルチノイドなど)の同定に用いられます。ヘモジデリンを染める目的ではありません。正しくは:グリメリウス染色は銀親和性顆粒を持つ神経内分泌細胞などを染色する。選びやすい理由:銀染色の一種であり、組織内の微細な構造や特殊な細胞を検出する点で、他の特殊染色と混同しやすいです。混同注意:他の銀染色(例:アルゼンタフィン反応、フォンタナ・マッソン染色)や、神経内分泌細胞を検出する免疫組織化学染色と混同することがあります。
- 5. 正解。ベルリン青染色は、組織内の三価鉄(Fe3+)を検出する特殊染色法であり、青色に染め出します。ヘモジデリンは鉄を含有する色素であるため、この染色法で特異的に検出されます(プルシアンブルー反応とも呼ばれます)。
国試ポイント
各特殊染色の目的と、それが検出する主要な物質(あるいは構造物、病原体)を正確に理解しているかを問う問題です。特に、ヘモジデリン(鉄)とベルリン青染色の組み合わせは、病理組織学の基礎知識として非常に重要です。
混同注意
同じ無機成分を検出するコッサ反応(カルシウム)や、他の銀染色法(グリメリウス、グロコット)と混同しやすい傾向があります。ニッスル染色は対象が神経細胞であるため、直接的な混同は少ないかもしれませんが、特定の細胞内構造を検出するという点で類推してしまう可能性はあります。
次に同じ論点が出たら
次回同様の論点が出た場合、主要な特殊染色法(例:PAS染色、弾性線維染色、アミロイド染色、脂肪染色など)と、それぞれがどのような物質や構造を検出するのかを網羅的に学習しているかを確認しましょう。また、病理診断で頻用される染色法と、その適応疾患・病態との関連性も問われる可能性があります。
関連知識
鉄過剰症(ヘモクロマトーシス、ヘモジデリン沈着症)における診断的意義、マクロファージによる赤血球貪食後の鉄の処理、特殊染色の原理(酸化還元反応、沈殿反応など)、他の主要な特殊染色(PAS染色、アミロイド染色、脂肪染色など)の検出対象。