Papanicolaou染色と比較したGiemsa染色の特徴として正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ギムザ染色は一般的に乾燥固定を用いるため、染色過程で細胞が広がり、パパニコロウ染色と比較して細胞が大きく観察される傾向があります。これは乾燥による細胞の膨張や、固定時の収縮が少ないためと考えられます。
選択肢ごとの解説
- 1. ギムザ染色では核小体は通常、赤くは染まりません。主に核は赤紫、細胞質は青から赤紫に染まります。正しくは:核小体は観察されにくいか、他の核内構造と同様に染まります。選びやすい理由:ギムザ染色で細胞核が赤紫色に染まることから、核小体も赤く染まるという誤解を招く可能性があります。混同注意:他の特殊染色(例えば一部の組織染色)での核小体の染色性や、パパニコロウ染色での核小体の強調され方と混同する可能性があります。
- 2. 正解。ギムザ染色では乾燥固定を用いるため、細胞は広がり、パパニコロウ染色に比べて大きく観察される傾向があります。特に、乾燥によるアーチファクトとして細胞の膨張や変形が見られやすいため、細胞径が拡大して見えることがあります。
- 3. ギムザ染色では、しばしば乾燥固定が行われますが、これによって細胞はスライドガラスにしっかりと付着し、むしろパパニコロウ染色よりも剥がれにくい傾向があります。水洗工程が少ないことも剥がれにくさに寄与します。正しくは:ギムザ染色後の細胞はスライドガラスにしっかりと固定され、剥がれにくいです。選びやすい理由:液状固定を行うパパニコロウ染色と比べて、乾燥固定での細胞の脆弱性を想像するかもしれませんが、実際には固定方法の違いにより剥がれにくくなります。混同注意:液状検体処理時の細胞の脆弱性や、不適切な固定による剥離と混同する可能性があります。
- 4. 95%エタノールによる湿潤固定はパパニコロウ染色で用いられる一般的な固定方法です。ギムザ染色は主に空気乾燥固定(乾式固定)が用いられ、場合によってはメタノール固定が併用されます。正しくは:ギムザ染色では主に空気乾燥固定、またはメタノール固定が行われます。選びやすい理由:細胞診における一般的な固定液として95%エタノールがよく知られているため、選択肢として選びやすいです。混同注意:パパニコロウ染色とギムザ染色それぞれの主要な固定方法を混同する可能性があります。
- 5. 角化細胞や扁平上皮細胞の分化度(表層、中間、傍基底)による染め分けは、パパニコロウ染色の重要な特徴であり、細胞の成熟度を評価するのに優れています。ギムザ染色では、そこまでの詳細な分染は困難です。正しくは:パパニコロウ染色では角化細胞を染め分けられますが、ギムザ染色では困難です。選びやすい理由:ギムザ染色も細胞の形態や色調を観察できるため、ある程度の細胞タイプの識別は可能ですが、パパニコロウ染色ほど詳細な分化の評価はできません。混同注意:パパニコロウ染色における細胞の成熟度に基づく染色性の違いと、ギムザ染色による一般的な細胞染色の区別を混同する可能性があります。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な染色法であるパパニコロウ染色とギムザ染色の特徴や適用、固定方法、染色性、観察される形態の違いについて問われることが多いです。特に、両者の比較ポイントを正確に理解しているかが重要となります。
混同注意
両染色の固定方法(湿潤固定 vs 乾燥固定)、細胞の大きさの見え方、細胞質の染め分け(多色性 vs 単色性)、核小体の視認性、適用される検体などが混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合は、各染色法の固定方法、細胞質の多色性、核のクロマチンパターン、細胞の大きさがどう見えるか、そしてそれぞれの染色法がどのような目的で主に用いられるかを判断の基準とします。
関連知識
パパニコロウ染色:湿潤固定(95%エタノール)、核のクロマチンパターンや核小体、細胞質の多色性が特徴。細胞の成熟度やホルモン状態の評価に優れる。/ ギムザ染色:乾燥固定(またはメタノール固定)、主に血液細胞やリンパ節穿刺吸引細胞診、骨髄穿刺液などで用いられ、核は赤紫、細胞質は青から赤紫に染まる。細胞の形態や異型性の評価に用いられる。