電離放射線でないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
電離放射線とは、物質を透過する際に原子や分子から電子を弾き飛ばし、イオンを生成する能力を持つ放射線のことを指します。選択肢1(アルファ線)、2(ベータ線)、3(ガンマ線)、5(中性子線)はいずれもこの電離作用を持つため、電離放射線に該当します。一方、選択肢4の紫外線は電磁波の一種であり、そのエネルギーは可視光線よりも高いですが、X線やガンマ線ほどではなく、通常は物質を電離させるほどのエネルギーを持たないため、非電離放射線に分類されます。ただし、極端に波長の短い(高エネルギーの)紫外線は電離作用を示すこともありますが、一般的な文脈では非電離放射線とされます。
選択肢ごとの解説
- 1. アルファ線は、ヘリウム原子核からなる粒子線であり、物質を透過する際に原子や分子を電離させる能力を持つため、電離放射線に分類されます。正しくは:アルファ線は電離放射線である。選びやすい理由:「線」という名称から漠然と電離放射線だと判断してしまう。混同注意:非電離放射線(紫外線、可視光線など)と混同しやすい。
- 2. ベータ線は、原子核の崩壊によって放出される電子または陽電子の流れであり、物質を透過する際に原子や分子を電離させる能力を持つため、電離放射線に分類されます。正しくは:ベータ線は電離放射線である。選びやすい理由:アルファ線と同様に漠然と電離放射線だと判断してしまう。混同注意:非電離放射線と混同しやすい。
- 3. ガンマ線は、原子核の励起状態から基底状態への遷移に伴って放出される高エネルギーの電磁波であり、物質を透過する際に原子や分子を電離させる能力を持つため、電離放射線に分類されます。正しくは:ガンマ線は電離放射線である。選びやすい理由:X線と似ているため、電離放射線であると判断しやすい。混同注意:非電離放射線(電波、可視光線など)と混同しやすい。
- 4. 正解。紫外線は電磁波の一種ですが、そのエネルギーは原子や分子を電離させるほどには高くありません。したがって、電離放射線ではなく、非電離放射線に分類されます。選びやすい理由:日焼けなどの生物学的影響が強いため、電離放射線と誤解されやすい。混同注意:X線やガンマ線などの電離放射線と混同しやすい。特に、波長の短い紫外線は電離放射線に近い作用を示すことがあるため、注意が必要。
- 5. 中性子線は、中性子からなる粒子線であり、物質中の原子核と相互作用することで、原子核反応や二次放射線(ガンマ線、ベータ線など)を発生させ、結果的に物質を電離させるため、電離放射線に分類されます。正しくは:中性子線は電離放射線である。選びやすい理由:電荷を持たないため、電離作用がないと誤解されやすい。しかし、間接的に強い電離作用を持つ。混同注意:直接電離放射線(荷電粒子線)と間接電離放射線(中性子線、X線、ガンマ線)の区別が曖昧だと混同しやすい。
国試ポイント
電離放射線と非電離放射線の基本的な分類と、それぞれの代表的な種類を正しく区別できるかどうかが問われています。特に、名称に「線」とつくもの全てが電離放射線ではない点、そして電荷の有無に関わらず電離作用を持つ放射線がある点を理解していることが重要です。
混同注意
紫外線が持つ生物学的影響(日焼け、DNA損傷など)の強さから、電離放射線と誤解されやすい。また、電離放射線の中でも直接電離放射線(α線、β線)と間接電離放射線(γ線、X線、中性子線)の区別が曖昧だと混乱を招きやすい。
次に同じ論点が出たら
この問題で理解が不十分だった場合、電離放射線と非電離放射線の定義、電離放射線の種類(粒子線、電磁波、直接・間接電離放射線)、それぞれのエネルギーレベルと生体影響について再度確認すると良いでしょう。
関連知識
放射線防護の三原則(時間、距離、遮蔽)、放射線の種類ごとの透過力や生物学的影響の違い、放射線測定の基本原理、放射線障害の種類と対策。