脂質の染色に適するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
スーダンⅢ染色は、脂溶性色素であるスーダンⅢが脂質に溶解する性質を利用して、中性脂肪や脂肪酸などの脂質を赤橙色に染め出す組織染色法です。他の選択肢は、それぞれ酸性ムコ多糖、鉄、カルシウム塩、多糖類の検出に用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. アルシアンブルー染色は酸性ムコ多糖(酸性粘液物質)の検出に用いられる方法であり、脂質の染色には適しません。正しくは:酸性ムコ多糖の検出に適しています。選びやすい理由:様々な組織染色法の一つとして知識があるため、選択肢として目につくかもしれません。混同注意:PAS染色などの多糖類を検出する他の染色法と混同しやすいです。
- 2. ベルリンブルー染色はヘモジデリン(鉄)の検出に特化した染色法であり、脂質の染色には用いられません。正しくは:ヘモジデリン(鉄)の検出に適しています。選びやすい理由:特定の成分を検出する染色法であるため、他の成分を検出する方法と誤認する可能性があります。混同注意:他の金属成分の検出法や、ヘモグロビンなど鉄関連物質の病理学的意義と混同しやすいです。
- 3. コッサ反応は石灰(カルシウム塩)の検出に用いられる組織化学反応であり、脂質の染色法ではありません。正しくは:石灰(カルシウム塩)の検出に適しています。選びやすい理由:「反応」という言葉から、特定の物質を検出する方法として選びたくなるかもしれませんが、対象物質が異なります。混同注意:他の無機塩やミネラル成分の検出法と混同しやすいです。
- 4. PAS反応(過ヨウ素酸シッフ反応)は、糖原、ムチン、基底膜などの多糖類を構成するアルデヒド基の検出に用いられる方法であり、脂質の染色には不適切です。正しくは:多糖類(糖原、ムチン、基底膜など)の検出に適しています。選びやすい理由:組織化学で非常によく用いられる反応であり、様々な成分を染色するイメージがあるため、誤って選択しやすいです。混同注意:脂質は細胞膜の主要構成成分であり、PAS反応が細胞膜の一部の糖鎖を検出することから、間接的に脂質と関連付けてしまい混同しやすいです。
- 5. 正解。スーダンⅢ染色は、中性脂肪や脂肪酸などの脂質を特異的に染色するために用いられる方法です。脂溶性色素が脂質に溶解することで、脂質を赤橙色に染め出します。
国試ポイント
組織化学染色法において、特定の物質(脂質、糖質、タンパク質、無機物など)を検出するための基本的な染色法とその対象物質の組み合わせを正確に理解しているかが問われます。
混同注意
様々な組織化学染色の名称と、それが検出する対象物質の組み合わせを混同しやすいです。特にPAS反応やアルシアンブルー染色など、よく使われる染色法は、その対象が何であるかを明確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各染色法が「何を」「どのように」検出するのか、そして「どのような検体(固定、切片作製法など)に適しているか」という詳細な知識まで問われる可能性があります。また、関連する疾患や病態と結びつけて出題されることも考えられます。
関連知識
脂質の検出には、スーダンⅢの他にスーダンⅣ、オイルレッドO、オスミウム酸染色などがあります。オスミウム酸は不飽和脂肪酸の二重結合と反応し黒色に染色します。凍結切片を用いる必要がある点も重要です(パラフィン包埋では有機溶媒により脂質が溶出するため)。