包埋過程について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
エタノールは脂質を溶解する能力があり、組織中の脂質成分を効率的に除去することができます。メタノールも脂質溶解性を持つものの、一般的に脱水・透明工程でより汎用され、脂質除去能力の優位性はエタノールにあります。これは組織透明化の前処理として重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. パラフィンは疎水性であり、水とは混和しません。そのため、包埋前に組織を完全に脱水し、透明化する必要があります。正しくは:パラフィンは水と混和しにくい性質を持っています。選びやすい理由:一般的な物質が水と混和しやすいという先入観があるため。混同注意:他の薬剤(例: エタノール)の水溶性・混和性。
- 2. 包埋には、薄切時の組織の支持性を確保するため、融点が高く硬めのパラフィンが適しています。融点が低すぎると薄切が困難になります。正しくは:包埋には融点が高く硬いパラフィンが適しています。選びやすい理由:柔らかい方が扱いやすいと考えるかもしれないため。混同注意:パラフィンの種類と適切な硬さの理解不足。
- 3. 組織の縮小が最も顕著に起こるのは固定操作の段階です。脱水操作でも組織は縮小しますが、固定による化学変化や物理的収縮が主要な原因です。正しくは:組織の縮小が最も顕著に起こるのは固定操作の段階です。選びやすい理由:脱水による組織の水分減少が直接的な縮小に繋がると考えやすいため。混同注意:固定と脱水による組織収縮のメカニズムと程度。
- 4. 硬質パラフィンの融点は通常50℃よりも高く、56〜58℃程度に設定されることが多いです。これは室温で組織を安定させ、薄切に適した硬度を保つためです。正しくは:硬質パラフィンの融点は通常50℃以上に設定されています。選びやすい理由:具体的な融点の数値に関する知識が曖昧なため、低い温度を想定してしまう。混同注意:パラフィンの融点と薄切時の硬度調整の関連性。
- 5. 正解。エタノールは脂質溶解性が高く、脱水工程で組織中の脂質成分を効率的に除去します。メタノールも脂質を溶解しますが、一般的にエタノールの方が脂質除去能力に優れています。選びやすい理由:正しい記述であるため、他の選択肢が誤りであることを認識すれば選びやすい。混同注意:メタノールとエタノールの脂質溶解性や脱水能力の比較。
国試ポイント
組織標本作製工程における各薬剤の役割と特徴、特に脱水・透明・包埋過程の理解が求められます。
混同注意
脱水剤、透明剤、包埋剤それぞれの役割と代表的な薬剤を混同しやすい。特に脂質溶解性や水との混和性など、薬剤の物理化学的性質が重要です。
次に同じ論点が出たら
次回の類似問題では、各工程で使用される薬剤の特性(例: 融点、水との混和性、脂質溶解性、組織への影響)に注目して判断します。
関連知識
組織標本作製工程は、固定→水洗→脱水→透明→包埋→薄切→染色→封入の順に進む。各工程の目的と使用される代表的な薬剤(例: 固定液のホルマリン、脱水のエタノール、透明のキシレン、包埋のパラフィン)を理解する。