心電図(別冊No. 7)を別に示す。心電図所見はどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
心房細動ではP波が消失し基線が不規則なf波に置き換わり、R-R間隔も不規則になります。完全右脚ブロックではV1誘導でM型のRSR'パターン(rSR')と幅広いS波を認め、V5/V6誘導で幅広く深いS波がみられます。この心電図ではこれらの所見が認められます。
選択肢ごとの解説
- 1. 心電図上、QRS波は継続して出現しており、突然の洞結節からの刺激停止を示す洞停止の所見は認められません。洞停止であれば長いRR間隔やQRS波の欠落が見られます。正しくは:QRS波が継続して出現しているため、洞停止ではありません。選びやすい理由:R-R間隔が不規則であるため、洞結節の異常と誤解する可能性がありますが、P波の有無を確認することが重要です。混同注意:洞不全症候群(洞停止、洞徐脈、徐脈頻脈症候群など)
- 2. 心室頻拍では幅の広いQRS波が連続して出現し、心拍数が100回/分以上となります。この心電図のQRS波は広いですが、心室頻拍特有の単一起源からの規則的な頻拍パターンは呈していません。R-R間隔が不規則であり、QRS波の形態も心室頻拍としては典型的ではありません。正しくは:QRS波は幅広くても、心室頻拍に特徴的な規則的な頻拍とQRS波形は認められません。選びやすい理由:QRS波が幅広いことから、心室性不整脈である心室頻拍を疑う可能性があります。混同注意:上室性頻拍の脚ブロック合併や変行伝導、Torsades de pointes
- 3. 正解。P波が消失し、基線に不規則な細かなf波が認められます。また、R-R間隔も完全に不規則であり、心房細動の典型的な心電図所見です。この不規則なR-R間隔は心房から心室への電気伝導が不規則になることで生じます。選びやすい理由:R-R間隔の不規則性とP波の消失は特徴的であり、比較的判別しやすいです。混同注意:心房粗動、多源性心房頻拍
- 4. 洞不整脈ではP波が存在し、P-P間隔が呼吸に伴って変動しますが、この心電図ではP波が消失しておりf波が認められるため、洞不整脈ではありません。正しくは:P波が消失しf波が認められるため、心房細動が適切です。選びやすい理由:R-R間隔が不規則であるため、呼吸性洞不整脈と誤解する可能性がありますが、P波の有無と形態を確認することが重要です。混同注意:呼吸性洞不整脈
- 5. 正解。V1誘導でrSR'型のM字パターンを示し、S波の幅が広いことから右脚ブロックの特徴が認められます。またV5, V6誘導では幅広いS波が認められ、これも完全右脚ブロックの所見と一致します。右脚の刺激伝導遅延により、右心室の興奮が遅れることでQRS波が延長・変形します。選びやすい理由:V1誘導のRSR'パターンとV5/V6の幅広いS波は典型的な所見であり、判別しやすいです。混同注意:不完全右脚ブロック、完全左脚ブロック
国試ポイント
心房細動の心電図所見(P波消失、不規則なR-R間隔、f波)と、完全右脚ブロックの心電図所見(V1のRSR'、V5/V6の幅広いS波)を正確に識別できるか。
混同注意
心房細動と心房粗動、洞不整脈の判別。また、完全右脚ブロックと完全左脚ブロック、WPW症候群の判別が混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
心房細動の判断は、まずP波の有無とR-R間隔の規則性を確認します。完全右脚ブロックの判断は、V1誘導でのQRS波形と、V5/V6誘導でのS波の形状を確認します。
関連知識
心房細動は最も一般的な不整脈であり、脳梗塞のリスクと密接に関連します。脚ブロックは心臓の刺激伝導系の障害であり、他の心疾患との合併もよく見られます。