酵素の国際単位の算出に必要ないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
酵素活性の国際単位(IU)は、1分間に1マイクロモルの基質を変換する酵素量と定義されます。吸光度法でこれを算出する際の計算式では、検体量、反応液の最終液量、モル吸光係数、そして単位時間あたりの吸光度変化量が直接使用されます(IU = (ΔA/min × 最終液量 × 希釈倍率) / (モル吸光係数 × 検体量))。測定波長は、モル吸光係数がどの波長における値かを示す情報であり、その波長における吸光度測定のために設定されるものですが、計算式自体に「波長」の数値が直接代入されるわけではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 酵素活性は検体中の酵素濃度に依存するため、反応液に添加する血清量(または検体量)はIU算出に不可欠です。これにより、最終的に単位時間あたりの基質量変化を検体量あたりに換算できます。正しくは:国際単位の算出に必要である。選びやすい理由:一見、最終液量があれば検体量は不要に思えるかもしれないが、検体量あたりの活性を出すためには必須。混同注意:最終液量と混同しやすい。
- 2. 酵素反応は反応液全体で進行するため、最終液量は基質の濃度変化を正確に評価し、IU算出の計算式に組み込むために必要です。これにより、吸光度変化から全反応液中での基質量の変化を計算できます。正しくは:国際単位の算出に必要である。選びやすい理由:これも、吸光度変化があれば不要に思えるかもしれないが、反応系全体の規模を把握するために必要。混同注意:検体の血清量と混同しやすい。
- 3. 正解。測定波長は吸光度測定を行う上で必須の設定ですが、国際単位(IU)を算出する計算式自体には直接的には含まれません。モル吸光係数が波長に依存する値であり、このモル吸光係数を用いることで、特定の波長での吸光度変化が物質濃度の変化に換算されます。正しくは:国際単位の算出に直接は必要ない。波長はモル吸光係数を特定するために用いられる間接的な要素。選びやすい理由:吸光度測定に関わる項目なので、必要だと誤解しやすい。混同注意:モル吸光係数と混同しやすい。モル吸光係数は波長ごとに決まるが、計算式に直接入るのはモル吸光係数そのものであり、波長ではない。
- 4. 吸光度変化から物質(基質または生成物)のモル濃度の変化を算出するためには、ランバート・ベールの法則に基づき、その物質のモル吸光係数(ε)が不可欠です。国際単位の定義には、このモル濃度変化の算出が直接関わります。正しくは:国際単位の算出に必要である。選びやすい理由:定数なので、計算式に組み込まれることを忘れがち。混同注意:測定波長と混同しやすい。
- 5. 酵素活性の定義は単位時間あたりの基質量または生成物量の変化であるため、吸光度法では単位時間あたりの吸光度変化量(ΔA/minなど)が、その速度を示す直接的な指標となります。これがIU算出の基礎となります。正しくは:国際単位の算出に必要である。選びやすい理由:一番直接的な測定値なので、重要性に疑問を持つことは少ないかもしれないが、念のため。混同注意:吸光度そのものと混同しやすい。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、酵素活性の測定原理と国際単位(IU)の算出に必要な要素を正確に理解しているかが頻繁に問われます。特に、直接計算式に含まれる要素と、測定条件として必要なものの区別がポイントになります。
混同注意
測定波長は吸光度測定の条件として不可欠なため、IU算出の「必要項目」として選択肢に挙げられると、必要だと誤解しやすい。しかし、直接計算式に入るのは「モル吸光係数」であり、これは特定の波長における値である。波長そのものではない。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、酵素活性の国際単位の計算式を頭に描き、各要素が直接的にどこに位置するかを確認する。特に、測定条件と計算要素の区別を意識する。
関連知識
ランバート・ベールの法則(A = εbc)、国際単位(IU)の定義、酵素活性測定における吸光度法の原理、希釈倍率の考慮。