脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
BNPは主に心室から分泌されるホルモンであり、心臓の負荷が増大すると分泌量が増加します。心不全の病態評価に用いられる重要なバイオマーカーです。
選択肢ごとの解説
- 1. BNPは血管を拡張させる作用があり、血管収縮作用は持ちません。正しくは:血管を拡張させる作用を持つ。選びやすい理由:血管に作用するホルモンであることは知られているため、収縮と拡張のどちらかという点で迷いやすいです。混同注意:レニン-アンジオテンシン系のアンジオテンシンIIなど、血管収縮作用を持つ他のホルモンと混同しやすいです。
- 2. 正解。BNPは心臓の心室の伸展ストレスに応じて、主に心室筋細胞から分泌されるホルモンです。心不全の重症度を評価するバイオマーカーとして広く利用されています。
- 3. 活性型のBNPは32個のアミノ酸から構成されるペプチドです。100個という数字は前駆体であるproBNP(108個)とも異なるため、誤りです。正しくは:32個のアミノ酸から構成されるペプチドである。選びやすい理由:BNPがペプチドホルモンであることは事実ですが、具体的なアミノ酸数に関する知識が曖昧な場合に、なんとなくそれらしい数字に惑わされる可能性があります。混同注意:前駆体であるproBNP(108個)や他のペプチドホルモン(例:ANPは28個)のアミノ酸数と混同しやすいです。
- 4. BNPは腎臓におけるナトリウムの再吸収を抑制し、排泄を促進することで利尿作用を発揮します。これにより体液量を減少させ、心臓への負担を軽減します。正しくは:腎臓でのナトリウム排泄を促進する作用がある。選びやすい理由:ナトリウムの排泄や再吸収に関わるホルモンであることは知られているため、その作用の向きを誤解しやすいです。混同注意:アルドステロンなど、ナトリウムの再吸収を促進する作用を持つホルモンと混同しやすいです。
- 5. BNPは血漿中のプロテアーゼによって速やかに分解されるため、室温では不安定です。正確な測定のためには、採血後すみやかに冷却し、遠心分離して血漿を分離・凍結保存する必要があります。正しくは:採血後の血漿中における濃度は、室温では不安定である。選びやすい理由:多くの一般的な検査項目は室温で比較的安定しているため、BNPもそうだと誤解しやすいです。混同注意:より安定性の高いN末端プロBNP(NT-proBNP)や、他の安定な血中成分と混同しやすいです。
国試ポイント
BNPの基本的な生理作用(産生部位、生理活性、分子構造、安定性、検体管理)は、循環器系の検査項目として頻出です。特に、心臓における主要な産生部位と、血管拡張・利尿作用による心保護効果は重要事項です。
混同注意
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)との産生部位や構造の比較、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系ホルモンとの作用の対比、N末端プロBNP(NT-proBNP)との違い(半減期、検体安定性)などが混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われる場合、BNPの具体的な生理作用(血管拡張、利尿、交感神経抑制など)、心不全診断におけるカットオフ値や治療効果判定における役割、またはNT-proBNPとの具体的な違い(半減期、腎機能への依存度など)が問われる可能性があります。
関連知識
心不全の病態生理、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系、バソプレシン(抗利尿ホルモン)、BNP・NT-proBNPの臨床的意義、および不安定な検体の適切な管理方法。