サーモグラフィ検査の注意点について誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
サーモグラフィ検査は体表面の微細な温度変化を検出するため、外部からの熱影響を最小限にする必要があります。検査室の温度が高いと体表温度の勾配が不明瞭になり、適切な画像が得られません。特に、深部体温に影響を与えるのは室温が低い場合であり、検査室を20℃程度の快適な室温に保つことは、むしろ体表の微細な温度変化をより正確に捉えるために重要です。より詳細な診断には、末梢血管が収縮しない程度の適度な温度が適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 検査直前の飲食は体温に影響を与える可能性があるため、制限することが正しい。特にカフェインやアルコールは血管を拡張させ、体表温度を変化させる。選びやすい理由:一般的な検査前処置として飲食制限は広く行われるため、正しいと判断しやすい。混同注意:他の検査における飲食制限の理由(血糖値、消化器系への影響など)
- 2. 化粧品は体表からの放熱を妨げたり、発汗を阻害したりする可能性があるため、測定部位の化粧は落とさせる必要がある。選びやすい理由:化粧品が体表温度に影響を与えるという認識は直感的に理解しやすいため、正しいと判断しやすい。混同注意:MRIなど、金属含有物質の除去が必要な検査
- 3. 検査室の湿度は50%程度に保つのが適切である。湿度が低すぎると体表からの水分蒸発による熱損失が大きくなり、高すぎると発汗による放熱が抑制され、体表温度に影響を与える。選びやすい理由:室温だけでなく湿度も体温に影響を与えるという認識は一般的であり、正しいと判断しやすい。混同注意:一般的な病院環境における快適な湿度基準
- 4. 正解。検査室の温度は20℃程度ではなく、一般的に22~25℃程度に保つのが適切とされている。低すぎると末梢血管が収縮し、体表温度の分布が変化してしまうため、正確な測定が困難になる。この選択肢は誤りである。正しくは:検査室の温度は22~25℃程度に保つ。選びやすい理由:涼しい方が微細な温度変化が分かりやすいという誤解や、一般的な検査室の室温が20℃程度であるという認識から正しいと選びやすい。混同注意:手術室など、衛生管理のために室温を低めに保つ環境
- 5. 検査室環境への馴化は、体の表面温度を安定させ、外部環境の影響を取り除くために必要不可欠である。一般的に15〜30分間とされる。選びやすい理由:他の生理学的検査でも同様の馴化時間が設定されることがあり、正しいと判断しやすい。混同注意:安静を要するが、環境馴化が特に必要ない検査
国試ポイント
サーモグラフィ検査の正確な実施には、体温に影響を与える環境因子(室温、湿度、飲食、化粧など)を適切に管理する必要がある。
混同注意
サーモグラフィ検査は、X線撮影のように内部構造を可視化する検査とは異なり、体表の温度分布を視覚化する機能検査であるため、その影響因子も物理的な熱環境に強く依存する点を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
サーモグラフィ検査に関する問題が出た場合、体表温度に影響を与える因子(検査室環境、患者の状態、準備)が適切に管理されているかに着目して判断する。
関連知識
サーモグラフィは、自律神経機能検査、末梢循環障害の評価、炎症や腫瘍の診断補助などに用いられる。熱画像のパターンから診断を行うため、検査前の体温への影響因子除去が非常に重要である。