深部静脈血栓症に対する下肢静脈超音波検査で実施しないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
深部静脈血栓症(DVT)の診断を目的とした下肢静脈超音波検査では、血栓の有無、血流の評価、弁機能の評価が中心となります。そのために、圧迫法、ミルキング法、バルサルバ法、体位変換(座位など)は一般的に用いられる手技です。一方、寒冷刺激は血管収縮反応などを評価する際には用いられますが、DVTの直接的な診断手技としては通常実施されません。
選択肢ごとの解説
- 1. 座位は下肢静脈の拡張を促し、血流の評価や逆流の有無を確認するために有用な体位です。正しくは:DVT検査において、座位は血液の鬱滞を確認するために実施される一般的な手技の一つです。選びやすい理由:座位は安静時と異なり、体位変化を伴うため、実施しないと誤解される可能性があります。混同注意:安静臥位での検査のみで十分だと誤解するかもしれません。
- 2. 深部静脈血栓症の診断において、超音波プローブで血管を圧迫し、内腔が完全に虚脱するかを確認する圧迫法は非常に重要な手技です。血栓が存在すると血管は虚脱しません。正しくは:圧迫法はDVT診断の基本手技であり、必須です。選びやすい理由:圧迫により血管が損傷するイメージから、実施しないと誤解される可能性がありますが、診断に必要な手技です。混同注意:動脈の圧迫止血などと混同し、診断目的での圧迫をしないものと誤解するかもしれません。
- 3. 正解。寒冷負荷は通常、下肢静脈超音波検査で深部静脈血栓症の診断のために実施される手技ではありません。血管収縮反応を見ることが目的の場合に用いられますが、DVT診断には直接関係しません。正しくは:深部静脈血栓症の診断には、寒冷刺激は用いられません。血栓の有無や性状、血流評価が中心です。選びやすい理由:血管の生理学的反応を評価する手法として知られているため、血管疾患の検査で用いられると誤解される可能性があります。混同注意:レイノー病などの血管攣縮性疾患の誘発試験と混同する可能性があります。
- 4. ミルキング法(下腿の筋肉を収縮させる動作)は、静脈弁の機能評価や、末梢からの血流を一時的に増やすことで静脈血栓の有無や位置を確認するのに役立ちます。正しくは:ミルキング法は、静脈血流動態の評価や、血栓による閉塞の有無を確認するために実施されます。選びやすい理由:患者に動作を求めるため、検査の手間が増えることから、実施しないと誤解される可能性があります。混同注意:運動負荷試験と混同し、DVT診断には不要と誤解するかもしれません。
- 5. バルサルバ法(息をこらえ、いきむ動作)は腹腔内圧を上昇させ、下肢静脈の血流を停滞させることで、静脈弁の逆流の有無や血栓の有無を評価するために用いられます。正しくは:バルサルバ法は、DVT診断特に逆流評価に有用な手技です。選びやすい理由:患者に特定の呼吸法を求めるため、実施しないと誤解される可能性があります。混同注意:安静時の検査のみで十分だと誤解するかもしれません。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、特定の疾患に対する超音波検査の標準的な手技や、各手技の目的を正確に理解しているかが問われます。特に、診断に必須の手技と、一般的に実施されない手技を区別できる知識が求められます。
混同注意
血管の生理機能検査(例:レイノー病の誘発試験)で用いられる負荷と、DVT診断のための形態・血流評価で用いられる手技を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各手技がDVT診断のどの側面(血栓の有無、血流動態、弁機能など)を評価するために用いられるかを具体的に考えれば正答にたどり着ける。
関連知識
DVT超音波検査の基本手技(圧迫法、カラードプラ法、パルスドプラ法による血流評価)、静脈弁逆流の評価、血栓の性状評価(急性期/慢性期)。