超音波(1MHz)の吸収係数が最も小さいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
超音波の吸収係数は、媒質の粘性、密度、温度、周波数などに依存します。生体組織の中では、一般的に水分の含有量が多い組織ほど吸収係数は低くなります。純粋な水は、他の組織と比較して粘性が低く、構造が均一であるため、超音波のエネルギー吸収が最も少ない媒質です。空気は音響インピーダンスの差が大きいため反射・減衰が著しく、筋肉や脂肪、血液は水に比べて構造が複雑であったり、粘性が高かったりするため、吸収係数が水よりも高くなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 筋肉は水分を多く含みますが、構造が複雑なため超音波の吸収係数は水よりも高くなります。特に線維構造は散乱の原因にもなります。正しくは:筋肉の吸収係数は水や血液よりは高いが、骨や空気よりは低い。選びやすい理由:水分が多い組織は吸収が少ないと思われがちですが、内部構造の複雑さも吸収に関与します。混同注意:水との吸収係数の違い。
- 2. 空気は音響インピーダンスが他の生体組織と大きく異なるため、超音波がほとんど透過せず、境界面で反射・散乱が起こり、見かけ上の吸収係数は非常に高くなります。実際には「吸収」というよりも「減衰」が著しいです。正しくは:空気は超音波の減衰が最も大きい媒質の一つであるため、超音波検査では大きな障害となる。選びやすい理由:気体であるため、液体よりも物質が少ないと考えられがちですが、インピーダンス差による反射が支配的です。混同注意:密度の低さと吸収係数の関係。
- 3. 血液は主成分が水であるため、吸収係数は低いですが、水そのものと比較すると細胞成分が存在するため、水よりはわずかに吸収係数が高くなります。正しくは:血液の吸収係数は水よりは高いが、他の固形組織よりは低い。選びやすい理由:ほとんど水であるため、水と同じくらい吸収係数が低いと思われがちです。混同注意:純粋な水との吸収係数の差。
- 4. 脂肪は水分の含有量が少ないため、超音波の吸収係数は水や血液、筋肉の一部と比較すると高くなります。正しくは:脂肪の吸収係数は水よりも高い。選びやすい理由:比較的均一な組織であるため、吸収が少ないと思われがちです。混同注意:筋肉との吸収係数の比較。
- 5. 正解。水は超音波の伝播において、その均一な構造と低い粘性のため、吸収係数が非常に小さい媒質です。生体組織の中では水分の多い組織ほど吸収係数は低くなる傾向がありますが、純粋な水が最も吸収係数が低いです。正しくは:この選択肢は正しいため、修正は不要です。選びやすい理由:他の生体組織と比較して、水の単純さに気付かない場合。混同注意:血液や体液との吸収係数の比較。
国試ポイント
超音波の生体内での伝播特性、特に吸収係数に関する基礎知識が問われています。様々な組織における超音波の挙動を理解しているか、また最も基本的な媒質である水が超音波にとってどのような特性を持つかを把握しているかが重要です。周波数が高くなるほど吸収係数も増加するという特性も関連知識として重要です。
混同注意
吸収係数と音響インピーダンス、反射、散乱などの超音波の減衰に関連する概念が混同されやすいです。特に空気は減衰が著しいですが、これは吸収だけでなく反射による寄与が大きいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各生体組織の音響インピーダンス、超音波伝播速度、減衰の主な原因(吸収、反射、散乱のどれが支配的か)を問われる可能性があります。また、周波数と吸収係数の関係についても注意が必要です。
関連知識
超音波の減衰は、吸収、反射、散乱の3つの要素によって生じます。吸収は熱への変換、反射は音響インピーダンスの差がある界面でのエネルギーの跳ね返り、散乱は不均一な構造によって音波が多方向に広がる現象です。これら全てが減衰に寄与します。また、超音波の周波数が高くなるほど、吸収係数は増加します。