血小板凝集を惹起させるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
エピネフリンは、血小板表面のアドレナリンα2受容体に結合することで、血小板を活性化させ、凝集を強力に促進する生理的因子です。止血やストレス応答において重要な役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. 一酸化窒素(NO)は血管内皮細胞から放出され、血小板内のcAMP濃度を上昇させることで、血小板凝集を抑制する作用があります。正しくは:一酸化窒素は血小板凝集を抑制します。選びやすい理由:血管の生理活性物質であるため、何らかの作用があることは知っているが、具体的な作用を混同する可能性がある。混同注意:プロスタサイクリン(PGI2)など、血小板凝集抑制作用を持つ他の因子と混同する可能性や、血管収縮作用を持つエンドセリンなどと混同する可能性がある。
- 2. アスピリンはシクロオキシゲナーゼ(COX-1)を不可逆的に阻害することで、トロンボキサンA2(TXA2)の産生を抑制し、血小板凝集を阻害する薬剤です。正しくは:アスピリンは血小板凝集を阻害する薬剤です。選びやすい理由:医薬品として馴染みがあるため、血栓に関係する作用があることは知っているが、作用が促進ではなく阻害であることを忘れる可能性がある。混同注意:血栓溶解薬や抗凝固薬など、他の血栓性疾患治療薬と作用機序を混同する可能性がある。
- 3. 正解。エピネフリン(アドレナリン)はカテコールアミンの一種で、血小板上のアドレナリン受容体(α2受容体)を刺激することで、血小板の形状変化や凝集を強力に促進します。これは生体内の止血反応やストレス反応の一部です。
- 4. ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子の産生を阻害することで、凝固カスケードを抑制し、抗凝固作用を発揮する薬剤です。血小板凝集そのものには直接作用しません。正しくは:ワルファリンは凝固カスケードを抑制し、抗凝固作用を発揮します。選びやすい理由:抗血栓薬として広く知られているため、血小板に関連する作用があるように思えるが、作用機序が異なることを混同する可能性がある。混同注意:血小板凝集抑制薬(アスピリン、クロピドグレルなど)や線溶薬(ウロキナーゼなど)と作用機序を混同する可能性がある。
- 5. フィブリノペプチドAはフィブリノーゲンからフィブリンが生成される際に遊離するペプチドであり、血小板凝集を直接的に惹起する作用はありません。むしろ、その遊離は凝固が進行している指標となります。正しくは:フィブリノペプチドAはフィブリン形成の副産物であり、血小板凝集を直接惹起する作用はありません。選びやすい理由:フィブリン形成と関連する物質であるため、血栓形成の全般的なプロセスと混同し、血小板凝集にも関与するように錯覚する可能性がある。混同注意:フィブリンやトロンビンなど、凝固系や血小板凝集に関わる他の物質と役割を混同する可能性がある。
国試ポイント
血小板凝集の生理的・薬理的調節因子を理解しているか問う問題です。特に、凝集を促進する因子と抑制する因子、およびそれらに関わる薬剤の作用機序を正確に覚えているかがポイントになります。
混同注意
血小板凝集を促進する因子(ADP、コラーゲン、トロンビン、トロンボキサンA2など)と、血小板凝集を抑制する因子(プロスタサイクリン、一酸化窒素など)を混同しやすい。また、凝固系に作用する薬剤(ワルファリンなど)と血小板に作用する薬剤(アスピリンなど)の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、血小板凝集を促進する内因性因子、血小板凝集を抑制する内因性因子、そしてそれぞれの因子に作用する薬剤の種類と作用機序を正確に理解しているかを確認しましょう。
関連知識
血小板の構造と機能、血小板凝集のメカニズム(接着、活性化、凝集)、主要な血小板凝集促進因子とその受容体、血小板凝集抑制因子とその作用機序、抗血小板薬の作用機序(アスピリン、ADP受容体阻害薬など)、抗凝固薬の作用機序(ワルファリン、ヘパリンなど)。