細胞壁合成阻害薬はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
イミペネムはカルバペネム系のβ-ラクタム系抗生物質であり、細菌の細胞壁合成を阻害します。β-ラクタム系抗生物質は、細菌の細胞壁合成酵素であるペニシリン結合タンパク質(PBP)に結合し、ペプチドグリカン鎖の架橋形成を阻害することで、細胞壁の形成を妨げ、最終的に細菌を死滅させます。
選択肢ごとの解説
- 1. アミカシンはアミノグリコシド系抗生物質であり、細菌のリボソーム30Sサブユニットに結合し、タンパク質合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。正しくは:アミカシンはタンパク質合成阻害薬です。選びやすい理由:様々な抗生物質の名称を知っていても、作用機序が明確でないと誤りやすいです。混同注意:ペニシリン系やセフェム系といったβ-ラクタム系抗生物質以外の作用機序と混同しやすいです。
- 2. 正解。イミペネムはカルバペネム系抗生物質であり、β-ラクタム系抗生物質の一種です。これらはペニシリン結合タンパク質(PBP)に結合することで、細菌の細胞壁ペプチドグリカン層の架橋形成を阻害し、細胞壁合成を妨げます。
- 3. ポリミキシンBは細菌の細胞膜に損傷を与え、膜の透過性を変化させることで抗菌作用を示します。細胞壁合成を直接阻害する作用はありません。正しくは:ポリミキシンBは細胞膜機能阻害薬です。選びやすい理由:細胞の構造に関わる部位を標的とする薬剤であるため、細胞壁と細胞膜の区別が曖昧だと誤解しやすいです。混同注意:細胞壁合成阻害薬と細胞膜機能阻害薬を混同しやすいです。
- 4. ミノサイクリンはテトラサイクリン系抗生物質であり、細菌のリボソーム30Sサブユニットに結合し、tRNAがA部位に結合するのを妨げることでタンパク質合成を阻害します。正しくは:ミノサイクリンはタンパク質合成阻害薬です。選びやすい理由:抗菌スペクトルが広い薬剤として知られており、名称は知っていても作用機序を正確に理解していないと誤りやすいです。混同注意:他のタンパク質合成阻害薬(アミノグリコシド系、マクロライド系など)との区別や、細胞壁合成阻害薬との混同が起こりやすいです。
- 5. リファンピシンはDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、細菌のRNA合成を抑制することで抗菌作用を発揮します。細胞壁合成には直接関与しません。正しくは:リファンピシンは核酸合成阻害薬です。選びやすい理由:結核菌治療薬として有名であり、抗菌薬の名称としてはよく知られていますが、作用機序を正確に覚えていないと誤りやすいです。混同注意:様々な作用機序を持つ抗菌薬の名称と作用を混同しやすいです。
国試ポイント
抗菌薬の作用機序に関する知識は、国家試験で頻出の重要事項です。特に細胞壁合成阻害薬、タンパク質合成阻害薬、核酸合成阻害薬、細胞膜機能阻害薬などの主要な分類と、それぞれの代表的な薬剤名を正確に理解しているかが問われます。
混同注意
細胞壁合成阻害薬と細胞膜機能阻害薬、またはタンパク質合成阻害薬との混同。特にアミノグリコシド系、テトラサイクリン系、マクロライド系などのタンパク質合成阻害薬は種類が多く、混乱しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た場合は、各抗生物質の分類(例:β-ラクタム系、アミノグリコシド系など)と、その分類の主要な作用機序(例:細胞壁合成阻害、タンパク質合成阻害など)を正確に結びつけられるかを確認してください。特に、それぞれの作用部位(例:PBP、30Sリボソームなど)まで把握していると、より確実に正答できます。
関連知識
・β-ラクタム系抗生物質(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、モノバクタム系)の作用機序。 ・グリコペプチド系抗生物質(バンコマイシンなど)も細胞壁合成阻害薬である。 ・他の作用機序を持つ抗生物質の代表例と作用部位:アミノグリコシド系(タンパク質合成阻害:30Sリボソーム)、テトラサイクリン系(タンパク質合成阻害:30Sリボソーム)、マクロライド系・リンコマイシン系(タンパク質合成阻害:50Sリボソーム)、キノロン系(核酸合成阻害:DNAジャイレース、トポイソメラーゼIV)、サルファ剤・ST合剤(葉酸代謝阻害)、ポリミキシン系(細胞膜機能阻害)。