我が国における肺の悪性腫瘍のうち最も頻度が高いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
日本では、肺癌の中で腺癌が最も頻度が高く、特に非喫煙者や女性に多く見られる傾向があります。過去に喫煙との関連が強かった扁平上皮癌に代わり、現在では肺癌全体の約50%を占める主要な組織型となっています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。日本では、肺癌の組織型の中で腺癌が最も高い頻度で発生します。近年、非喫煙者や女性にも多く見られ、全体の肺癌の約半数を占めると言われています。
- 2. 小細胞癌は肺癌の中で悪性度が高く、進行が速いことで知られていますが、全体の発生頻度としては腺癌や扁平上皮癌に次いで3番目程度であり、最も多いわけではありません。正しくは:日本における肺癌で最も頻度が高いのは腺癌です。小細胞癌は肺癌全体の約15%を占めます。選びやすい理由:その高い悪性度や特徴的な治療法から印象に残りやすく、頻度が高いと誤解されがちです。混同注意:非小細胞肺癌との分類や、化学療法への反応性の高さなど、病理学的な特徴と発生頻度を混同しやすいです。
- 3. 大細胞癌は非小細胞肺癌の一種ですが、肺癌全体の発生頻度としては比較的少なく、特定の割合を占めることはありません。正しくは:日本における肺癌で最も頻度が高いのは腺癌です。大細胞癌は非小細胞肺癌の中では比較的稀な組織型です。選びやすい理由:主要な肺癌の組織型として名前が挙がるため、その一つとして高頻度であると考える可能性があります。混同注意:非小細胞肺癌に分類される他の腺癌や扁平上皮癌との頻度を混同しやすいです。
- 4. 扁平上皮癌は喫煙との関連が非常に強いことで知られ、主に男性の喫煙者に多く見られますが、全体の発生頻度としては腺癌に次いで2番目であり、最も多い組織型ではありません。正しくは:日本における肺癌で最も頻度が高いのは腺癌です。扁平上皮癌は肺癌全体の約20%を占めます。選びやすい理由:喫煙者において高頻度であるため、肺癌全体で最も多いと誤解しやすいです。また、過去には比較的頻度が高かった時代があったことも混同の原因になるかもしれません。混同注意:喫煙との関連が強いことや、主に肺門部に発生するという特徴と、全体の発生頻度を混同しやすいです。
- 5. 悪性中皮腫は肺の悪性腫瘍ではありますが、肺そのものから発生する「肺癌」とは異なり、主に肺を覆う胸膜から発生する稀な腫瘍です。そのため、肺癌の組織型として最も頻度が高いという選択肢としては適切ではありません。正しくは:日本における肺癌で最も頻度が高いのは腺癌です。悪性中皮腫は肺癌とは異なる疾患であり、発生頻度もはるかに低いです。選びやすい理由:「肺の悪性腫瘍」という設問の広範な表現から、肺癌以外の肺に関連する悪性腫瘍も対象になると誤解し、選択肢として検討してしまう可能性があります。混同注意:肺癌と肺に関連する他の悪性腫瘍(特にアスベスト曝露と関連が強い中皮腫)との鑑別が曖昧な場合、混同しやすいです。
国試ポイント
肺癌の主要な組織型(腺癌、扁平上皮癌、小細胞癌など)ごとの国内における発生頻度、病理学的特徴、および喫煙との関連について正確に理解しているかを問う問題です。特に、近年増加傾向にある腺癌が最も頻度が高いという知識は必須です。
混同注意
喫煙との関連が強い扁平上皮癌や、高い悪性度を持つ小細胞癌と、全体の発生頻度が高い腺癌とを混同しやすい点が挙げられます。また、肺癌と悪性中皮腫のように、肺に関連するが異なる疾患との区別も問われることがあります。
次に同じ論点が出たら
肺癌の組織型ごとの病理組織学的特徴、分子標的薬の適応となる遺伝子変異(例:腺癌におけるEGFR変異など)、発生部位(肺門部か末梢か)、喫煙との関連、予後や治療法の違いについて深く理解しているかを確認する問題が出題される可能性があります。
関連知識
肺癌は大きく非小細胞肺癌(NSCLC)と小細胞肺癌(SCLC)に分類され、NSCLCはさらに腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌などに分けられます。日本における頻度はおおよそ、腺癌が約50%、扁平上皮癌が約20%、小細胞癌が約15%程度とされています。