α-アミラーゼで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
α-アミラーゼには唾液腺由来のS型と膵臓由来のP型という主要なアイソザイムが存在します。これらのアイソザイムは、分子内の糖鎖修飾の有無や程度によって分子量に差が生じます。特にS型アミラーゼは糖鎖修飾(グリコシル化)を受けているものが多く、その結果としてP型アミラーゼよりも分子量が大きくなる傾向にあります。この分子量の違いは、電気泳動によるアイソザイム分析の原理の一つでもあります。
選択肢ごとの解説
- 1. α-アミラーゼは、基質である多糖の内部のα-1,4-グリコシド結合を加水分解するエンド型(内部加水分解型)酵素です。エキソ型酵素は、基質の末端から分解を進めます。正しくは:α-アミラーゼはエンド型酵素に分類されます。選びやすい理由:酵素の型に関する知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:エンド型とエキソ型の違いを混同している可能性があります。
- 2. α-アミラーゼは主に腎臓の糸球体でろ過され、尿中に排泄されます。肝臓での代謝はほとんどありません。正しくは:α-アミラーゼは主に腎臓でろ過・排泄されます。選びやすい理由:多くの血中成分が肝臓で代謝されるため、安易に選んでしまう可能性があります。混同注意:肝臓での代謝と腎臓での排泄の役割を混同している可能性があります。
- 3. α-アミラーゼの活性にはCa2+が必須であり、Cl-によって活性化されます。Zn2+は含まれません。正しくは:α-アミラーゼの活性部位にはCa2+が必須です。選びやすい理由:金属イオンが酵素活性に関与するケースが多いので、Zn2+もその一つだと誤解しやすいかもしれません。混同注意:Ca2+やCl-といったアミラーゼに必要なイオンと、他の酵素に必要な金属イオン(Zn2+など)を混同している可能性があります。
- 4. α-アミラーゼはデンプンなどの多糖内部のα-1,4-グリコシド結合を加水分解します。α-1,6-グリコシド結合を切断するのは、イソアミラーゼや脱分岐酵素(プルラナーゼなど)です。正しくは:α-アミラーゼはα-1,4-グリコシド結合を加水分解します。選びやすい理由:グリコシド結合の種類に関する知識が曖昧だと誤りやすいです。デンプン中に両方の結合が存在するため、どちらかを切断すると考えやすいかもしれません。混同注意:α-1,4-グリコシド結合とα-1,6-グリコシド結合の区別を混同している可能性があります。
- 5. 正解。唾液腺型アミラーゼ(S型)は、グリコシル化の程度が膵型アミラーゼ(P型)よりも強く、糖鎖付加によって分子量が大きくなる傾向があります。電気泳動では通常、S型がP型よりも陽極側に移動しにくい(つまり分子量が大きいか、電荷がより負になるか)と観察されます。正しくは:これは正しい記述です。選びやすい理由:アイソザイムの分子量の違いは詳細知識であり、逆を覚えていたりすると間違えやすいです。混同注意:S型とP型の電気泳動パターンや分子量の大小関係を混同している可能性があります。
国試ポイント
α-アミラーゼの酵素学的特性、代謝経路、およびアイソザイム(特にS型とP型)の分子量や電気泳動での挙動に関する正確な知識が問われています。各選択肢はアミラーゼに関する基本的な事項を含んでおり、広範な理解が求められます。
混同注意
α-アミラーゼと他の糖質分解酵素(例:グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ)の作用点の違い、アミラーゼの代謝・排泄経路、活性に必要なイオンの種類、S型とP型の物理化学的性質(分子量、電気泳動パターン)の混同。
次に同じ論点が出たら
次にα-アミラーゼの問題が出た場合、アイソザイムの各特徴(電気泳動パターン、腎クリアランス率)、偽高値・低値を示す要因、臨床的な意義(急性膵炎の診断基準など)を正確に理解しているかを確認する必要があります。
関連知識
・α-アミラーゼの生理的役割(消化酵素)。・血中アミラーゼ高値を示す疾患(急性膵炎、耳下腺炎など)。・アイソザイムの臨床的意義と電気泳動法による分離。・腎機能とアミラーゼの血中濃度。