レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ〈LCAT〉を活性化するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ (LCAT) は、血液中のコレステロールをコレステロールエステルに変換する酵素です。この酵素の働きを効果的に活性化するのはアポリポタンパク質A-I (ApoA-I) であり、特にHDLにおけるコレステロール逆転送系において中心的な役割を担っています。ApoA-IはLCATと結合し、その立体構造を変化させることで活性を高めます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ApoA-IはLCATの主要な活性化因子であり、HDLにおけるコレステロールエステル化反応を触媒するために不可欠です。ApoA-IがLCATと結合することで、酵素の活性が効果的に高まります。
- 2. ApoA-IIはLCATを活性化しません。むしろ、一部の研究ではLCATの活性を阻害する可能性が示唆されています。主にHDLの構造安定化や肝性リパーゼの活性化に関与します。正しくは:ApoA-IIはLCATの活性化には直接関与せず、HDLの構造維持や他の酵素の調節に役割を持ちます。選びやすい理由:アポA-Iと同じくHDLの主要な構成成分であるため、LCAT活性化に関与すると誤解しやすいかもしれません。混同注意:ApoA-Iの機能と混同しやすいですが、ApoA-IIはLCAT活性化の機能は持ちません。
- 3. ApoB-100はLDLの主要な構成成分であり、LDL受容体への結合を介してコレステロールを細胞内に取り込む役割を果たしますが、LCATの活性化には関与しません。正しくは:ApoB-100はVLDL、IDL、LDLの主要な構造タンパク質であり、LDL受容体リガンドとしてコレステロールの細胞内への取り込みを仲介します。選びやすい理由:リポタンパク質代謝全体の中で非常に重要なアポリポタンパク質であるため、LCAT活性化という特定の役割があるかのように感じられるかもしれません。混同注意:ApoA-IがHDLに関連するのに対し、ApoB-100は主にLDLに関連する点が異なります。機能も全く異なります。
- 4. ApoC-IIIはリポタンパク質リパーゼ (LPL) の活性を阻害し、トリグリセリドを多く含むリポタンパク質のクリアランスを妨げる作用がありますが、LCATの活性化とは直接的な関連はありません。正しくは:ApoC-IIIはリポタンパク質リパーゼ (LPL) の活性を抑制することで、血中のトリグリセリド値を上昇させる役割があります。選びやすい理由:他のアポタンパク質と同様に脂質代謝において重要な役割を果たすため、特定の酵素活性化に関わると誤解する可能性があります。混同注意:ApoC-IIはLPLを活性化しますが、ApoC-IIIはLPLを阻害します。LCATとは直接的な関連はありません。
- 5. ApoEはカイロミクロンレムナントやVLDLレムナントなどのリポタンパク質が肝臓に取り込まれる際の受容体リガンドとして機能し、脂質代謝において重要な役割を果たしますが、LCATを直接活性化する作用はありません。正しくは:ApoEは主にレムナント粒子を肝臓のLDL受容体関連タンパク質 (LRP) やLDL受容体に結合させるリガンドとして機能し、脂質クリアランスを促進します。選びやすい理由:アルツハイマー病との関連でよく知られているなど、その重要性からLCAT活性化のような重要な機能を持つと考えるかもしれません。混同注意:ApoA-IがLCATを活性化する一方、ApoEは主にリポタンパク質の肝臓への取り込みを仲介します。機能が異なります。
国試ポイント
アポリポタンパク質の機能に関する知識、特に特定の酵素との関連性が頻繁に問われます。どのリポタンパク質(HDL、LDL、VLDLなど)にどの主要なアポリポタンパク質が含まれ、それぞれがどのような役割(酵素活性化、受容体リガンドなど)を持つかを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
アポリポタンパク質の種類が多く、それぞれが脂質代謝の様々な段階で異なる役割を果たすため、その機能や関連する酵素・受容体との組み合わせを混同しやすいです。特にApoA-IとApoA-II、ApoC-IIとApoC-IIIなど、似た名称のアポタンパク質間の機能の違いは注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
アポリポタンパク質の分類、主要なアポリポタンパク質の種類(A-I, A-II, B-48, B-100, C-II, C-III, Eなど)、それぞれの主要な機能、および関与するリポタンパク質や酵素(LPL, HTGL, CETP, LCATなど)の関連性を網羅的に学習し、正しく区別できるかを確認しましょう。特に、それぞれの機能が脂質代謝のどのステップに関わるかを理解することが重要です。
関連知識
LCATは肝臓で合成され、主にHDLに結合して血液中を循環します。末梢組織からコレステロールを引き抜き、それをコレステロールエステルに変換することで、コレステロールをHDL内部に安定的に蓄え、最終的に肝臓へのコレステロール逆転送を促進します。このプロセスは動脈硬化の予防に重要です。