間接蛍光抗体法による抗核抗体検査所見(別冊No. 13)を別に示す。 この所見を示す自己抗体はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
間接蛍光抗体法による抗核抗体の検査では、核の染色パターンが疾患診断の手がかりとなります。斑状パターン(スペックルパターン)は、核内の可溶性抗原に対する自己抗体、特に抗ENA抗体群(抗Sm、抗RNP、抗SS-A/Ro、抗SS-B/Laなど)によって引き起こされる典型的な所見です。これらの抗体は、全身性エリテマトーデス(SLE)、混合性結合組織病(MCTD)、シェーグレン症候群などで陽性となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 抗DNA抗体は、主に均質型や辺縁型(rim型)などの核の染色パターンと関連が深く、斑状パターンとは異なります。正しくは:抗DNA抗体は全身性エリテマトーデス(SLE)に特異性が高く、主に均質型や辺縁型パターンを示します。選びやすい理由:自己免疫疾患でよく検査される抗体であるため、選択肢として連想されやすいです。混同注意:他の自己抗体による核の染色パターンと混同しやすいです。
- 2. 抗核小体抗体は、核小体を特異的に染色し、通常、核小体型のパターンを示します。斑状パターンとは異なります。正しくは:抗核小体抗体は強皮症などで見られ、核小体を強く染色するパターンを示します。選びやすい理由:核内の構造に関連する抗体であるため、核の染色パターンの一つとして候補になりえます。混同注意:核小体型と他の核の染色パターンを混同しやすいです。
- 3. 抗ヒストン抗体は、主に薬剤誘発性ループスなどで見られ、均質型(homogenous型)の核染色パターンを示します。斑状パターンとは異なります。正しくは:抗ヒストン抗体は核全体を均一に染色する均質型パターンを示します。選びやすい理由:核の構成成分に対する抗体であるため、核の染色パターンに関連すると考えられやすいです。混同注意:均質型と斑状型を含む他の核の染色パターンを混同しやすいです。
- 4. 抗ミトコンドリア抗体は、自己免疫性肝疾患(原発性胆汁性胆管炎など)に関連し、細胞質を顆粒状に染色するパターンを示します。核の染色パターンである斑状型とは関係ありません。正しくは:抗ミトコンドリア抗体は細胞質を染色し、主に原発性胆汁性胆管炎の診断に用いられます。選びやすい理由:自己免疫疾患で検査される抗体の一つであるため、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:核内抗体と細胞質抗体の区別、およびそれぞれの疾患特異性を混同しやすいです。
- 5. 正解。抗ENA抗体群(例: 抗Sm抗体、抗RNP抗体、抗SS-A/Ro抗体、抗SS-B/La抗体)は、細胞内の可溶性核抗原に反応し、特徴的な斑状(スペックル)の核染色パターンを示すことが多いです。このパターンは、全身性エリテマトーデス(SLE)や混合性結合組織病(MCTD)、シェーグレン症候群などで見られます。
国試ポイント
間接蛍光抗体法を用いた抗核抗体検査における核の染色パターンと、それに対応する主な自己抗体および関連疾患を理解しているかが問われています。特に、斑状(スペックル)パターンがどの自己抗体群と関連するかは基本的な知識です。
混同注意
核の染色パターン(均質型、斑状型、核小体型、辺縁型、セントロメア型など)とその関連抗体を混同しやすいです。また、核内抗体と細胞質抗体の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の染色パターン(均質型、核小体型、セントロメア型など)に対応する自己抗体と疾患、または各疾患に特異的な自己抗体とパターンを結びつけられるかどうかが問われる可能性があります。
関連知識
間接蛍光抗体法による抗核抗体検査の原理、主な染色パターン(均質型、斑状型、核小体型、辺縁型、セントロメア型)、各パターンを示す主な自己抗体(抗DNA抗体、抗ヒストン抗体、抗ENA抗体、抗セントロメア抗体など)および関連する疾患(SLE、MCTD、強皮症、シェーグレン症候群など)について学習しておく必要があります。