アラニンとの等電点の差が最も小さいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
アラニンは側鎖に荷電しないメチル基を持つ中性アミノ酸であり、その等電点(pI)は約6.0です。選択肢の中でロイシンもまた、側鎖に荷電しないイソプロピル基を持つ中性アミノ酸であり、その等電点(pI)は約5.9と、アラニンの等電点に最も近い値を示します。その他のアミノ酸は、リジンとアルギニンが塩基性アミノ酸で等電点が高く、グルタミン酸とアスパラギン酸は酸性アミノ酸で等電点が低いため、いずれもアラニンとの等電点の差が大きくなります。したがって、等電点の差が最も小さいのはロイシンです。
選択肢ごとの解説
- 1. リジンは塩基性アミノ酸であり、側鎖にアミノ基を持つため、等電点(pI)はアラニン(pI約6.0)よりもかなり高い(pI約9.7)です。したがって、アラニンとの等電点の差は大きいです。正しくは:リジンは塩基性アミノ酸で等電点が高いため、アラニンとの差は大きくなります。選びやすい理由:アミノ酸の種類が多い中で、他のアミノ酸との区別が曖昧な場合に選びがちです。混同注意:中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸の分類とそれぞれの等電点の相対的な高低を混同しやすいです。
- 2. 正解。アラニンもロイシンも、側鎖に荷電する基を持たない中性アミノ酸です。そのため、両者の等電点(pI)はほぼ中性域(アラニンpI約6.0、ロイシンpI約5.9)にあり、その差は他の選択肢の酸性または塩基性アミノ酸と比較して最も小さいです。
- 3. アルギニンは塩基性アミノ酸であり、側鎖にグアニジノ基を持つため、等電点(pI)はアラニン(pI約6.0)よりも非常に高い(pI約10.8)です。したがって、アラニンとの等電点の差は大きいです。正しくは:アルギニンは強い塩基性アミノ酸で等電点が高いため、アラニンとの差は大きくなります。選びやすい理由:リジンと同様に、アミノ酸の分類と等電点の関連が不明瞭な場合に選ばれる可能性があります。混同注意:他の塩基性アミノ酸や中性アミノ酸との等電点の違いを混同しやすいです。
- 4. グルタミン酸は酸性アミノ酸であり、側鎖にカルボキシル基を持つため、等電点(pI)はアラニン(pI約6.0)よりもかなり低い(pI約3.2)です。したがって、アラニンとの等電点の差は大きいです。正しくは:グルタミン酸は酸性アミノ酸で等電点が低いため、アラニンとの差は大きくなります。選びやすい理由:酸性アミノ酸と中性アミノ酸の等電点の違いを誤解していると選びやすいです。混同注意:アスパラギン酸との違いや、酸性アミノ酸全般の等電点が低いことを理解していない場合に混同しやすいです。
- 5. アスパラギン酸は酸性アミノ酸であり、側鎖にカルボキシル基を持つため、等電点(pI)はアラニン(pI約6.0)よりもかなり低い(pI約2.8)です。したがって、アラニンとの等電点の差は大きいです。正しくは:アスパラギン酸は酸性アミノ酸で等電点が低いため、アラニンとの差は大きくなります。選びやすい理由:グルタミン酸と同様に、酸性アミノ酸と中性アミノ酸の等電点の違いを誤解していると選びやすいです。混同注意:グルタミン酸とアスパラギン酸の等電点は低いという共通点はありますが、どちらがより低いか、アラニンとの差を比較する際に混同しやすいです。
国試ポイント
アミノ酸の分類(中性、酸性、塩基性)と、それぞれの等電点(pI)の相対的な位置(中性域、低pH域、高pH域)を理解しているかを問う問題です。代表的なアミノ酸の構造と性質、特に側鎖の特性が等電点にどう影響するかを把握していることが重要です。
混同注意
似たような構造を持つアミノ酸(例:グルタミン酸とアスパラギン酸、リジンとアルギニン)の間で、等電点の微細な差を混同しやすい。また、中性アミノ酸であっても側鎖の大きさの違いが等電点にわずかに影響することもあるため、その点を詳細に考える必要はありますが、本問では中性/酸性/塩基性アミノ酸の大きな分類が重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まずアラニンのアミノ酸としての特性(中性、pI約6.0)を思い出す。次に各選択肢のアミノ酸が、中性、酸性、塩基性のどれに分類されるかを確認し、それぞれの等電点の概ねのpH域を比較することで正答を導き出す。特に、側鎖にカルボキシル基(酸性)やアミノ基・グアニジノ基(塩基性)を持つかどうかが等電点に大きく影響することを判断の軸とする。
関連知識
アミノ酸の構造式、分類(脂肪族、芳香族、含硫、ヒドロキシ、酸性、塩基性、イミノ酸など)、ペプチド結合、タンパク質の一次構造、電気泳動の原理、pHと解離平衡、緩衝液の知識。