尿試験紙法で酵素法を原理とするのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
グルコースの尿試験紙法は、グルコースオキシダーゼとペルオキシダーゼの2種類の酵素を利用した酵素法です。まず、尿中のグルコースがグルコースオキシダーゼによって酸化され、グルコン酸と過酸化水素が生成されます。次に、生成された過酸化水素がペルオキシダーゼの触媒作用により発色剤と反応し、試験紙が変色することでグルコースの存在と量を検出します。この二段階の酵素反応が尿糖検査の原理です。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿試験紙法のタンパク質検査は、色素指示薬のタンパク誤差という原理に基づいており、酵素反応は利用しません。正しくは:正しくは、pH指示薬(テトラブロモフェノールブルーなど)がタンパク質の存在下で特定のpHにおいて変色する性質を利用しています。これは「タンパク誤差」と呼ばれます。選びやすい理由:タンパク質は生体内の重要な分子であり、酵素と関連が深いため、酵素法を用いると誤解する可能性があります。混同注意:他の生体成分の検査法で酵素法を用いるものと混同しやすいかもしれません。
- 2. 亜硝酸塩の検出は、グリース反応(ジアゾ化反応とカップリング反応)という化学反応を利用しており、酵素は関与しません。正しくは:亜硝酸塩がスルファニル酸と反応してジアゾニウム塩を生成し、これがN-(1-ナフチル)-エチレンジアミンとカップリングして赤紫色に発色する反応です。選びやすい理由:尿路感染症のスクリーニングとして重要な項目であり、何らかの複雑な反応が関わっていると思われがちです。混同注意:ビリルビンのジアゾ反応と混同しやすいですが、ターゲット物質と発色剤が異なります。
- 3. ケトン体(主にアセト酢酸)の検出は、ニトロプルシドナトリウムと反応させるリーガル反応が原理であり、酵素は使用されません。正しくは:アルカリ性環境下でアセト酢酸とニトロプルシドナトリウムが反応し、赤紫色を呈する反応です。選びやすい理由:糖尿病の検査項目として血糖と並んで重要であり、血糖が酵素法であることから、ケトン体も酵素法と誤解する可能性があります。混同注意:尿糖と尿ケトン体が共に糖尿病の指標であるため、同じような測定原理を用いると勘違いされやすいです。
- 4. 正解。尿糖試験紙の原理は、グルコースオキシダーゼとペルオキシダーゼという2つの酵素を用いた酵素反応に基づいています。グルコースオキシダーゼがグルコースを酸化して過酸化水素を生成し、次にペルオキシダーゼがこの過酸化水素と発色剤を反応させて色を変化させます。
- 5. ビリルビンの検出は、安定化したジアゾニウム塩とビリルビンが反応してアゾ色素を生成するジアゾ反応に基づいています。酵素は関与しません。正しくは:酸性環境下で、ジアゾニウム塩が抱合型ビリルビンと反応し、赤色から紫色に変化するアゾ色素を生成します。選びやすい理由:肝機能と関連が深い項目であり、生体内反応のイメージから酵素法と連想されるかもしれません。混同注意:亜硝酸塩のグリース反応と同様のジアゾ反応を用いるため、混同しやすいですが、反応する物質や目的が異なります。
国試ポイント
尿試験紙法における各測定項目の原理(特に酵素法を用いるものとそうでないもの)は、基本的な知識として頻繁に出題されます。特に「酵素法」というキーワードに注目し、どの項目が酵素を用いるか、そしてその酵素名や反応の概要を理解しているかが問われます。また、原理が似ている(例:ジアゾ反応)項目間の違いも問われやすいです。
混同注意
尿試験紙の各項目で、酵素法と非酵素法(化学反応)の区別が曖昧になりやすいです。特に、糖尿病関連の項目(グルコース、ケトン体)でどちらが酵素法であるかを混同する学生が見られます。また、ジアゾ反応を用いる亜硝酸塩とビリルビンの原理を混同することもあります。
次に同じ論点が出たら
次回同様の論点が出題された場合、「どの項目が酵素法であるか」だけでなく、「その酵素法に用いられる具体的な酵素名(例:グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ)」や「その反応で生成される中間物質(例:過酸化水素)」、さらに「各非酵素法の化学反応名(例:タンパク誤差、グリース反応、リーガル反応、ジアゾ反応)」まで詳細に問われる可能性があります。また、酵素法ではない項目についてもその具体的な化学反応原理を正確に識別できるかどうかが問われるでしょう。
関連知識
尿試験紙法は、迅速かつ簡便なスクリーニング検査として非常に重要です。各項目の測定原理だけでなく、偽陽性・偽陰性の原因、臨床的意義、および他の検査法(例:確定量性試験)との関係性も学習しておく必要があります。特に、尿糖以外の他の酵素法を用いる検査項目(例えば、血液中のGOT/GPT測定など)と比較して理解を深めることも有効です。