ヒトの減数分裂の接合期に生じる染色体の変化で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
減数分裂の前期Iは細糸期、接合期、太糸期、複糸期、移動期の5つの段階に分けられます。接合期(zygotene)は、細糸期に凝縮を開始した染色体がさらに凝縮し、相同染色体同士が特異的に認識し合って対合(synapsis)する時期です。この対合によって二価染色体が形成されます。他の選択肢は、減数分裂の異なる時期に起こる現象や、減数分裂全体の過程で起こる結果を述べています。
選択肢ごとの解説
- 1. 染色体数の半減は、減数分裂の最終段階(第1減数分裂終期から第2減数分裂完了後)で起こる結果であり、接合期に直接生じる変化ではありません。接合期は減数分裂前期Iの一部です。正しくは:染色体数の半減は、減数分裂の最終段階で起こります。選びやすい理由:減数分裂全体の特徴として「染色体数の半減」が強く印象付けられているため、関連する選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:減数分裂の全体像と、特定の段階(接合期)で起こる詳細なイベントが混同されやすいです。
- 2. 正解。減数分裂の接合期(zygotene)は、相同染色体が特異的に認識し合い、並んで対合する(synapsis)時期です。これは減数分裂における重要な特徴の一つです。
- 3. 染色体が凝縮し始めるのは減数分裂前期Iの細糸期(leptotene)からですが、接合期には対合が主要なイベントであり、「長い糸状に変化する」という表現は細糸期の特徴に近いと言えます。接合期では対合が進み、染色体の凝縮も進行します。正しくは:染色体が凝縮し始めるのは減数分裂前期Iの細糸期で、接合期には対合が主要なイベントです。選びやすい理由:染色体の形態変化であるため、減数分裂中のどこかで起こる変化と認識しやすく、漠然とした知識で選んでしまう可能性があります。混同注意:減数分裂前期Iの各時期(細糸期、接合期、太糸期など)で起こる主要なイベントの区別が曖昧な場合、混同しやすいです。
- 4. 相同染色体間の交差(crossing over)は、接合期に形成された二価染色体において、次の段階である太糸期(pachytene)に実際に起こる現象です。接合期はその準備段階として対合が完了する時期です。正しくは:相同染色体間の交差は、主に太糸期に起こります。選びやすい理由:減数分裂の重要なイベントである「交差」と結びつけられやすいため、接合期に起こる現象だと誤解しやすいです。対合と交差が密接に関連するため、区別がつきにくい場合があります。混同注意:接合期(対合)と太糸期(交差)のイベントが混同されやすいです。
- 5. キアズマ(交差した痕跡)が明瞭に観察されるのは、交差が完了し、相同染色体が離れていく複糸期(diplotene)です。接合期では対合が進行し、交差はまだ起こっていません(または進行中ですが、キアズマとして目視できるのは後段階です)。正しくは:キアズマが明瞭に観察されるのは、主に複糸期です。選びやすい理由:キアズマも減数分裂の重要な構造であり、交差と関連が深いため、早期に観察されると誤解しやすいです。混同注意:減数分裂前期Iにおける各時期のイベント(対合、交差、キアズマの形成・観察)の時系列が混同されやすいです。
国試ポイント
減数分裂における前期Iの各ステージ(細糸期、接合期、太糸期、複糸期、移動期)で起こる主要なイベントを正確に理解しているかを問う問題です。特に、相同染色体の対合が接合期の最も特徴的な事象であることを知っているかがポイントになります。
混同注意
減数分裂前期Iの各段階で起こる現象(細糸期: 染色体の凝縮開始、接合期: 相同染色体の対合、太糸期: 交差・組換え、複糸期: キアズマの観察、移動期: 核膜消失など)の時系列と、それぞれの主要イベントが混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、減数分裂前期Iの各ステージの名称と、そこで起こる最も重要なイベントの組み合わせが正しいかを確認します。特に、対合、交差、キアズマ観察のタイミングの区別が重要です。
関連知識
減数分裂は生殖細胞の形成において不可欠な過程であり、相同染色体の対合とそれに続く交差は遺伝的多様性を生み出す重要なメカニズムです。これらのイベントの理解は、遺伝学や発生学の基礎となります。