間質性肺炎の原因として誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
間質性肺炎は、肺の肺胞壁や間質に炎症と線維化が生じる疾患群です。薬剤、膠原病、放射線照射、特定のウイルス感染などは、実際に間質性肺炎の主要な原因として知られています。一方、肺動脈血栓塞栓症は、肺の血管が血栓で詰まることで、肺の血流障害を引き起こす疾患であり、肺の間質自体への炎症や線維化を直接的に引き起こすものではないため、間質性肺炎の直接的な原因とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 薬剤は間質性肺炎を引き起こす主要な原因の一つであり、特に抗がん剤や免疫抑制剤、一部の抗菌薬などが知られています。正しくは:特定の薬剤の使用は間質性肺炎の原因となりうる。選びやすい理由:薬剤による副作用は多岐にわたるため、間質性肺炎もその一つとして想像しやすい。混同注意:急性間質性肺炎や慢性間質性肺炎など、病態の異なる間質性肺炎の種類と混同する可能性。
- 2. 膠原病に合併する肺病変として、間質性肺炎は非常に頻繁に見られます。特に全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、強皮症、皮膚筋炎/多発性筋炎などが有名です。正しくは:膠原病は間質性肺炎の重要な原因の一つである。選びやすい理由:自己免疫疾患が全身の臓器に影響を及ぼすことは広く知られているため、肺病変も考えやすい。混同注意:他の肺疾患、例えば胸膜炎や肺高血圧症など、膠原病が引き起こす他の肺病変と混同する可能性。
- 3. 胸部への放射線治療は、放射線肺臓炎として間質性肺炎を引き起こすことがあります。特に治療後数週間から数ヶ月で発症することがあります。正しくは:胸部への放射線治療は間質性肺炎の原因となりうる。選びやすい理由:放射線が細胞や組織にダメージを与えることは常識であるため、肺組織への影響も想像しやすい。混同注意:放射線誘発性肺炎と、他の原因による間質性肺炎との病理学的・臨床的特徴の違いを混同する可能性。
- 4. ウイルス感染、特にインフルエンザウイルス、サイトメガロウイルス、RSウイルスなどは、重症化すると間質性肺炎を引き起こすことがあります。COVID-19パンデミックでも間質性肺炎が問題となりました。正しくは:特定のウイルス感染は間質性肺炎の原因となりうる。選びやすい理由:ウイルスが肺に炎症を起こすことは広く知られているため、間質性肺炎もその一種として選びやすい。混同注意:ウイルス性肺炎における肺実質の病変と、間質性肺炎の概念を混同する可能性。
- 5. 正解。肺動脈血栓塞栓症は、肺の血管が血栓によって閉塞し、肺梗塞や肺高血圧などを引き起こす疾患です。これは肺の実質(肺胞や間質)に直接的な炎症や線維化を起こす間質性肺炎とは異なる病態です。選びやすい理由:肺動脈血栓塞栓症も肺の疾患であり、呼吸困難などの症状があるため、他の肺疾患と混同されやすい。混同注意:間質性肺炎と肺血管性疾患の病態生理学的違い、特に間質性肺炎が肺胞壁の炎症と線維化を主とするのに対し、肺動脈血栓塞栓症は肺血管系の閉塞を主とする点を混同しやすい。
国試ポイント
間質性肺炎の多様な原因と、他の主要な呼吸器疾患との病態生理学的な違いを正確に理解しているかが問われています。特に、肺の炎症性・線維化性疾患と、肺の血管系疾患を区別できるかが重要です。
混同注意
間質性肺炎と、肺血管性疾患(肺動脈血栓塞栓症、肺高血圧症)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息などの主要な呼吸器疾患の病態の違い。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合は、間質性肺炎の鑑別診断、病理組織学的特徴、治療法について理解しているか確認します。
関連知識
特発性間質性肺炎(IPF)の診断基準、間質性肺炎の画像所見(HRCT)、主な膠原病関連間質性肺炎の種類、薬剤性肺障害のメカニズム、ウイルス性肺炎と間質性肺炎の関連性。