多剤耐性緑膿菌〈MDRP〉の判定に使用される抗菌薬はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
多剤耐性緑膿菌(MDRP)の定義には、カルバペネム系抗菌薬への耐性が含まれます。イミペネムはカルバペネム系に属するため、緑膿菌がこれに耐性を示すかどうかを確認することはMDRPの判定に不可欠です。他の選択肢は、MRSAやESBL産生菌、VREなど、異なる耐性菌の判定や治療に用いられる抗菌薬であり、緑膿菌に対しては作用がなかったり、MDRPの定義には直接関連しなかったりします。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。イミペネムはカルバペネム系抗菌薬であり、緑膿菌に対する強力な治療薬の一つです。多剤耐性緑膿菌(MDRP)は、特定の抗菌薬系統(カルバペネム系、アミノグリコシド系、フルオロキノロン系)のうち少なくとも3系統以上に耐性を示す緑膿菌と定義されており、カルバペネム耐性はMDRPを判定する上で重要な指標となります。そのため、イミペネムはその耐性評価に必須の薬剤です。
- 2. オキサシリンはペニシリン系抗菌薬であり、主にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の耐性判定に用いられます。緑膿菌はグラム陰性菌であり、オキサシリンはグラム陽性菌に作用するため、緑膿菌の耐性判定には不適切です。正しくは:オキサシリンは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の判定に用いられる抗菌薬です。選びやすい理由:多剤耐性菌の判定に使われる抗菌薬という共通点があるため、知識が曖昧だと間違えやすいです。混同注意:MRSAの判定薬とMDRPの判定薬を混同しやすいです。
- 3. セフォキシチンはセファマイシン系抗菌薬(第2世代セフェム系)であり、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌などのスクリーニングに用いられることがありますが、MDRPの主要な判定薬ではありません。緑膿菌はESBLの対象となる腸内細菌科細菌とは異なる細菌です。正しくは:セフォキシチンは、ESBL(基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ)産生菌のスクリーニングなどに使用されることがある抗菌薬です。選びやすい理由:β-ラクタム系抗菌薬であり、広範囲の耐性菌検査に関わるため、勘違いしやすいかもしれません。混同注意:ESBL産生菌やAMPc産生菌の判定薬とMDRPの判定薬を混同しやすいです。
- 4. テイコプラニンはグリコペプチド系抗菌薬であり、主にグラム陽性菌、特にMRSAやバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などに対する治療薬および耐性判定薬として使用されます。緑膿菌はグラム陰性菌であるため、テイコプラニンは効果がなく、MDRPの判定には用いられません。正しくは:テイコプラニンは、グラム陽性菌、特にMRSAやVREの治療および耐性判定に用いられる抗菌薬です。選びやすい理由:MRSAやVREなど、他の重要な多剤耐性菌の治療・判定薬として知られているため、選択肢として迷う可能性があります。混同注意:MRSAやVREの治療薬・判定薬とMDRPの判定薬を混同しやすいです。
- 5. バンコマイシンもテイコプラニンと同様にグリコペプチド系抗菌薬であり、主にグラム陽性菌、特にMRSAやVREに対する治療薬および耐性判定薬として重要です。緑膿菌には効果がなく、MDRPの判定には使用されません。正しくは:バンコマイシンは、グラム陽性菌、特にMRSAやVREの治療および耐性判定に用いられる抗菌薬です。選びやすい理由:MRSAの治療薬として非常に有名であるため、多剤耐性菌に関する問題で目立つ選択肢です。混同注意:MRSAやVREの治療薬・判定薬とMDRPの判定薬を混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、主要な多剤耐性菌(MDRP, MRSA, ESBL産生菌など)それぞれの定義と、その判定に用いられる代表的な抗菌薬の種類を正確に理解しているかを問うものです。グラム陽性菌とグラム陰性菌に対する抗菌薬のスペクトルの違いも基礎知識として重要となります。
混同注意
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)、ESBL(基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ)産生菌といった他の主要な薬剤耐性菌と、それらの判定薬を混同しやすいです。特に、グラム陽性菌とグラム陰性菌に有効な抗菌薬の違いを明確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が問われる場合、MDRPの定義に含まれる他の系統の抗菌薬(アミノグリコシド系、フルオロキノロン系)の具体例、または他の多剤耐性菌(MRSA、VRE、ESBL産生菌など)の判定薬について問われる可能性が高いです。また、薬剤耐性の機序や、耐性菌感染症の治療・対策に関する知識も重要となります。
関連知識
MDRPは、カルバペネム系、アミノグリコシド系、フルオロキノロン系の3系統のうち、少なくとも3系統以上に耐性を示す緑膿菌と定義されます。イミペネムやメロペネムなどのカルバペネム系抗菌薬への耐性は、MDRP判定の鍵となります。また、MRSAの判定にはオキサシリンやセフォキシチン(スクリーニング)が、VREの判定にはバンコマイシンやテイコプラニンが、ESBL産生菌のスクリーニングにはセフォキシチンやセフタジジムが用いられるなど、各耐性菌と対応する薬剤を理解しておく必要があります。