表面筋電図上、数十msecの電気活動が不規則に作動筋・拮抗筋間で同期してみられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ミオクローヌスは、不随意に起こる突然の電撃的な筋収縮であり、筋電図上では数十msecといった非常に短い持続時間の活動電位が、作動筋と拮抗筋でほぼ同時に出現するのが特徴です。これが不規則に観察されるという設問の記述は、ミオクローヌスの典型的な電気生理学的特徴を正確に表しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 振戦は、規則的なリズムを伴う不随意運動であり、一般的に数百ミリ秒(msec)単位の周期的な筋活動として表面筋電図に現れます。設問の「数十msecの電気活動が不規則に」という記述とは異なります。正しくは:振戦の場合、表面筋電図上は、2〜10Hz程度の規則的な電気活動が作動筋・拮抗筋間で交代性または同時性にみられます。選びやすい理由:不随意運動という点で共通するため、混同しやすいかもしれません。混同注意:ミオクローヌスとの周波数や規則性、筋活動の持続時間。
- 2. 筋強剛(固縮)は、受動運動に対する抵抗性の増大で、速度に依存しないのが特徴です。筋電図上では、持続的な筋活動の増加として現れることがありますが、数十msecの不規則な同期性電気活動というよりは、安静時や伸張時の持続的な活動として観察されます。正しくは:筋強剛は、筋電図では安静時や伸張反射において持続的な筋活動の亢進として現れます。選びやすい理由:パーキンソン病の症状の一部であるため、振戦と関連付けて想起される可能性があります。混同注意:筋緊張の亢進を伴う他の運動障害(例:痙縮)。
- 3. 「けいれん」は広範な不随意運動を指す一般的な用語ですが、医療用語としては、通常、てんかん発作に伴う持続的な筋収縮(強直性)や間代性の収縮(間代性)を指します。筋電図上では、高振幅で持続時間の長い異常放電や、間代性の場合は反復性の群発放電として記録されます。数十msecの不規則な電気活動とは異なります。正しくは:けいれんの場合、筋電図はより長く、高振幅の持続的あるいは反復性の異常活動を示します。選びやすい理由:一般的に不随意運動の代表例として知られているため、選択しやすいかもしれません。混同注意:ミオクローヌスも「ぴくつき」と表現されることがあるため、混同されやすいですが、持続時間と広がりが異なります。
- 4. ジストニアは、持続的または間欠的な筋収縮によって、異常な姿勢や反復運動を引き起こす運動障害です。筋電図上では、作動筋と拮抗筋の同時収縮による持続的な異常活動が特徴ですが、数十msecの短い不規則な電気活動という表現には合致しません。正しくは:ジストニアの筋電図では、作動筋と拮抗筋の持続的な同時収縮や不適切な賦活が観察されます。選びやすい理由:不随意運動の一種であり、異常な筋活動を伴うため、選択肢として考慮される可能性があります。混同注意:他の持続性筋収縮を伴う運動障害、例えば筋強剛や痙縮。
- 5. 正解。ミオクローヌスは、突然起こる電撃的な速い不随意筋収縮(ぴくつき)を特徴とします。表面筋電図では、数十msec程度の非常に短い持続時間で、作動筋および拮抗筋にほぼ同時に、不規則に同期する電気活動として観察されます。設問の記述は、このミオクローヌスの典型的な筋電図所見と完全に一致します。
国試ポイント
本問は、代表的な運動障害(不随意運動)の臨床的特徴と、それに対応する表面筋電図所見を正確に理解しているかを問うものです。特に、各不随意運動における筋活動の持続時間、規則性、同期性といった詳細な電気生理学的パターンを区別できるかが重要です。
混同注意
振戦(規則性)、けいれん(持続時間、高振幅)、ジストニア(持続性同時収縮)など、他の不随意運動の筋電図所見と混同しやすい。特に、ミオクローヌスと振戦は不随意運動として基本的な鑑別が必要な疾患であるため、それぞれの筋電図上の特徴をしっかりと把握しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、選択肢の各不随意運動について、筋電図での「電気活動の持続時間」「規則性」「同期性(作動筋・拮抗筋の関係)」「振幅」といった詳細な特徴を吟味し、設問の記述と最も合致するものを選ぶ必要があります。
関連知識
不随意運動の分類(錐体外路疾患によるもの、てんかん性、生理的など)。各不随意運動の病態生理。筋電図検査の原理と臨床応用。てんかん性ミオクローヌスと非てんかん性ミオクローヌスの鑑別。脳波との関連(皮質性ミオクローヌスなど)。