尿沈渣の無染色標本(別冊No. 1A)及びSternheimer染色標本(別冊No. 1B)を別に示す。この構造物はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
提示された画像(無染色標本およびSternheimer染色標本)を見ると、円柱状の構造物の中に多数の細胞成分が確認できます。特に染色標本では細胞の核が明瞭に染まっており、これらの細胞が尿細管上皮細胞に特徴的な形態を示していることから、上皮円柱であると判断されます。上皮円柱は尿細管障害や急性尿細管壊死などの腎疾患で出現し、尿細管上皮細胞が剥がれ落ちて円柱に包含されたものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 硝子円柱は主にタンパク質からなり、均一で透明な構造をしています。図の構造物とは形態が異なります。正しくは:硝子円柱は均一で透明な構造物である。選びやすい理由:円柱の種類であるため、鑑別に迷う可能性がある。混同注意:他の円柱、特に顆粒円柱や脂肪円柱と混同しやすいが、内部構造が異なる。
- 2. 顆粒円柱は円柱内に様々な大きさの顆粒状物質を含んでいますが、図の構造物は細胞様の要素で構成されています。正しくは:顆粒円柱は円柱内に顆粒状物質を含む。選びやすい理由:腎疾患時に多く見られる円柱であるため、鑑別の対象となりやすい。混同注意:他の円柱、特に硝子円柱や脂肪円柱と混同しやすいが、内部構造が異なる。
- 3. 脂肪円柱は円柱内に脂肪滴(マルタ十字を示すものが多い)を含みますが、図の構造物は細胞を内包しています。正しくは:脂肪円柱は円柱内に脂肪滴を含む。選びやすい理由:ネフローゼ症候群などで見られるため、疾患との関連で知識が問われる可能性がある。混同注意:他の円柱、特に硝子円柱や顆粒円柱と混同しやすいが、内部構造が異なる。
- 4. 正解。上皮円柱は、尿細管上皮細胞が円柱状に凝集して形成されたものです。下図A(無染色標本)では円柱内に細胞が多数観察され、下図B(Sternheimer染色標本)では核が染色された細胞が円柱内に確認できることから、尿細管上皮細胞が円柱化した上皮円柱と判断できます。正しくは:正解のため修正不要。選びやすい理由:正解である。混同注意:他の細胞性円柱(赤血球円柱、白血球円柱)との鑑別。上皮円柱は比較的大きな細胞を含む点が特徴。
- 5. 赤血球円柱は円柱の基質内に赤血球が含まれるもので、図の構造物ではありません。
国試ポイント
本問題は、尿沈渣の円柱に関する形態学的知識を問うものであり、特に無染色標本と染色標本を比較して細胞性円柱を正確に識別する能力が求められます。各円柱の構成要素と特徴、および関連する染色法での見え方を理解していることが重要です。
混同注意
硝子円柱、顆粒円柱、脂肪円柱、赤血球円柱、白血球円柱。特に、変性した細胞性円柱は顆粒円柱と見誤りやすい。また、尿細管上皮細胞単独と円柱との区別。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の円柱の形態鑑別問題が出題された場合、まず円柱の基本的な形状と、内包されている成分(細胞、顆粒、脂肪など)に注目する。次に、染色標本がある場合は、核の有無や染色性から細胞の種類を推定する。特に細胞性円柱については、含まれる細胞の特徴(大きさ、核の形態、細胞質)を正確に把握することが重要である。
関連知識
尿沈渣検査の目的と意義、主要な円柱の種類とそれぞれの形成機序、臨床的意義(関連疾患)。Sternheimer染色(やトルイジンブルー染色など)の目的と染色性。尿細管上皮細胞の形態的特徴。