蛋白で誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
トランスフェリンは2つの鉄結合部位を持ち、通常は2〜3個の鉄イオン(Fe3+)を結合して輸送するタンパク質であり、3,000個もの鉄原子を含むというのは誤りである。多量の鉄を貯蔵するのはフェリチンの役割である。
選択肢ごとの解説
- 1. セルロプラスミンは体内で銅を輸送する主要なタンパク質であり、同時に銅の酸化酵素としても機能するため、この記述は正しい。選びやすい理由:銅の輸送タンパク質は複数あり、セルロプラスミン以外のタンパク質(アルブミンなど)も銅輸送に関わるため、限定的な表現に疑問を持つかもしれない。混同注意:アルブミンやその他の銅結合タンパク質。
- 2. フェリチンは鉄の貯蔵タンパク質であり、特に鉄の需要が高い肝臓、脾臓、骨髄などに豊富に存在するため、この記述は正しい。選びやすい理由:フェリチンは全身に分布しているため、「特に肝臓に豊富」という表現が限定的すぎると感じるかもしれない。混同注意:トランスフェリン(鉄輸送)やヘモシデリン(鉄貯蔵の一形態)。
- 3. トランスサイレチンは、レチノール結合タンパク質(RBP)と結合してビタミンA(レチノール)を安定化させ、血中での輸送に関与するため、この記述は正しい。選びやすい理由:ビタミンAの輸送といえばRBPが直接的な役割を持つため、トランスサイレチンの役割が見過ごされやすい。混同注意:レチノール結合タンパク質(RBP)単独の機能。
- 4. レチノール結合タンパク質(RBP)は、トランスサイレチンと複合体を形成することで腎臓での濾過を防ぎ、血液中での半減期が約12時間に延長される。複合体を形成しないRBP単独では半減期が非常に短いため、この記述は正しい。選びやすい理由:RBPの半減期に関する具体的な数値を知らない場合、判断に迷うかもしれない。複合体形成による半減期延長の重要性を知らないと誤解する可能性がある。混同注意:トランスサイレチンと結合していない遊離RBPの短い半減期。
- 5. 正解。トランスフェリンは鉄の輸送タンパク質であり、1分子あたり2個の鉄イオン(Fe3+)を結合して輸送する。3,000個もの鉄原子を含むというのは、鉄貯蔵タンパク質であるフェリチンの特徴であり、トランスフェリンの記述としては誤りである。正しくは:トランスフェリンの1分子には、おおよそ2個の鉄原子が含まれています。選びやすい理由:鉄を扱うタンパク質であるため、多量の鉄を結合するというイメージから、この数値が正しいように錯覚する可能性がある。フェリチンの高い鉄結合能力と混同しやすい。混同注意:フェリチン(最大4,500個の鉄を貯蔵)の鉄結合能力。
国試ポイント
生体内での各種タンパク質の機能(輸送、貯蔵、代謝関与)と、それらが結合する物質の数や種類を正確に理解すること。
混同注意
鉄の輸送と貯蔵に関わるタンパク質(トランスフェリンとフェリチン)の機能と鉄結合数、およびビタミン輸送タンパク質(トランスサイレチン、RBP)の働きが混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
タンパク質の機能と結合物質の数・種類に注目し、特にトランスフェリンやフェリチンの鉄結合能力、RBPの半減期などの数値情報を確認する。
関連知識
フェリチンは、体内で鉄を貯蔵するタンパク質であり、1分子あたり最大4,500個もの鉄原子を貯蔵できる。一方、ヘモグロビンは1分子あたり4つのヘムを持ち、それぞれが1つの鉄原子を結合する。セルロプラスミンは銅を輸送し、酸化酵素としての機能も持つ。トランスサイレチンはレチノール結合タンパク質(RBP)と複合体を形成し、ビタミンAを安定化させ輸送する。