職場の有害因子と生物学的モニタリングの尿中測定項目の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
選択肢4の「マンガン — フェノール」の組み合わせは誤りです。フェノールはベンゼン曝露の生物学的モニタリング項目であり、マンガン曝露の直接的な尿中測定項目ではありません。マンガン曝露の指標としては、尿中または血液中のマンガン濃度が用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. この組み合わせは適切です。鉛に曝露すると、ヘム合成系が阻害され、δ-アミノレブリン酸が体内に蓄積し尿中に排泄されるため、鉛曝露の指標として用いられます。
- 2. この組み合わせは適切です。トルエンは体内で代謝され、最終的に馬尿酸として尿中に排泄されるため、トルエン曝露の指標となります。
- 3. この組み合わせは適切です。キシレンは体内で代謝され、メチル馬尿酸として尿中に排泄されるため、キシレン曝露の指標として用いられます。
- 4. 正解。この組み合わせは適切ではありません。フェノールは主にベンゼンの代謝産物であり、ベンゼン曝露の指標として用いられます。マンガン曝露の生物学的モニタリングには、尿中マンガンや血液中マンガンが用いられることがあります。正しくは:マンガン — 尿中マンガン(または血液中マンガン)選びやすい理由:一見、どちらも化学物質名であるため、組み合わせとしてあり得るように思える。混同注意:フェノールがベンゼンの代謝産物であることを忘れて、他の有機溶剤の代謝物と混同しやすい。
- 5. この組み合わせは適切です。カドミウムに慢性的に曝露すると腎尿細管機能障害を引き起こし、その結果β2-ミクログロブリンが尿中に増加するため、カドミウム曝露(特に腎臓への影響)の指標として用いられます。
国試ポイント
有害物質曝露に対する生物学的モニタリング項目、特に尿中代謝産物や影響指標の正確な知識が問われています。代表的な有機溶剤、重金属とその代謝経路・影響指標を覚えているかが重要です。
混同注意
有機溶剤とその代謝物、重金属とその影響指標が多数存在するため、それぞれの物質と指標の組み合わせを正確に覚えることが難しい。特に、フェノールがベンゼンの指標であることを他の有機溶剤と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、主要な重金属(鉛、カドミウム、水銀、マンガン、ヒ素など)と有機溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン、トリクロロエチレンなど)の尿中モニタリング項目(代謝物または影響指標)を確実に識別できるかを確認します。
関連知識
ベンゼンの尿中代謝物:フェノール、s,t-ムコン酸。トルエンの尿中代謝物:馬尿酸。キシレンの尿中代謝物:メチル馬尿酸。鉛の指標:尿中δ-アミノレブリン酸、血中鉛。カドミウムの指標:尿中カドミウム、尿中β2-ミクログロブリン、尿中NAG、血中カドミウム。