特定健康診査の必須項目はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
特定健康診査は、生活習慣病の予防・早期発見を目的としています。必須項目には、問診(既往歴、喫煙習慣、服薬歴など)、身体診察(身長、体重、腹囲、BMI)、血圧測定、尿検査(尿糖、尿蛋白)、血液検査(脂質:LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪;肝機能:AST、ALT、γ-GT;血糖:空腹時血糖または随時血糖)などが含まれます。選択肢1のγ-GTと選択肢4の空腹時血糖は、これらの必須項目に該当します。一方、心電図検査、眼底検査、総コレステロールは必須項目ではなく、医師が必要と判断した場合に選択的に実施される項目です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。γ-GTは肝機能の指標であり、特定健康診査の必須項目として含まれています。飲酒習慣との関連も高く、生活習慣病の早期発見・予防に重要です。選びやすい理由:他の肝機能マーカー(AST、ALT)は必須ではないため、混同しやすいかもしれません。γ-GTはアルコール性肝障害のスクリーニングとしても重要視されます。混同注意:AST(GOT)やALT(GPT)は詳細な肝機能評価には必要ですが、特定健診の必須項目ではありません(医師の判断により追加される場合があります)。
- 2. 心電図検査は特定健康診査の必須項目ではありません。医師が必要と判断した場合や、リスクが高い受診者に対して選択的に実施される項目です。正しくは:心電図検査は、特定健診では「医師の判断に基づき選択的に実施される項目」です。選びやすい理由:心血管疾患のリスクが高い人には重要な検査であるため、必須項目だと勘違いしやすいです。混同注意:特定健診の目的が生活習慣病予防であるため、心疾患のスクリーニングも必須だと誤解されがちですが、心電図はあくまで選択項目です。
- 3. 眼底検査は特定健康診査の必須項目ではありません。糖尿病や高血圧の合併症スクリーニングに有用ですが、特定健診では選択項目として扱われます。正しくは:眼底検査は、特定健診では「医師の判断に基づき選択的に実施される項目」です。選びやすい理由:糖尿病や高血圧が進行すると眼底に異常が現れるため、これらの生活習慣病と関連が深い検査として必須項目と誤解されやすいです。混同注意:糖尿病網膜症など、生活習慣病が原因となる疾患の診断に重要であるため、必須項目と混同しやすいですが、あくまで選択項目です。
- 4. 正解。空腹時血糖は糖尿病の診断およびリスク評価に不可欠な指標であり、特定健康診査の必須項目として定められています。糖尿病の早期発見・早期介入は、重症化予防のために極めて重要です。選びやすい理由:ヘモグロビンA1c(HbA1c)も糖尿病の指標ですが、特定健診の必須項目は「空腹時血糖」または「随時血糖」のいずれか(または両方)であり、HbA1cは原則として医師の判断で追加される項目です。問題文が『空腹時血糖』と限定しているため、これが必須項目であることが明確です。混同注意:HbA1cは過去1~2ヶ月の血糖コントロール状態を反映しますが、特定健診の必須項目としては「空腹時血糖」が優先されます。
- 5. 総コレステロール値は特定健康診査の必須項目ではありません。必須項目として定められているのは「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「中性脂肪」の3項目です。正しくは:総コレステロールは、特定健診の脂質項目としては必須ではなく、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪が必須項目です。選びやすい理由:脂質異常症の診断において重要な項目であるため、必須項目だと考えやすいです。また、過去には必須項目であった時期もあるため、情報が古いと誤解する可能性があります。混同注意:LDLコレステロールやHDLコレステロールと混同しやすいですが、総コレステロール自体は必須項目から外されています。
国試ポイント
特定健康診査の必須項目と選択項目を正確に区別できるかが問われています。特に、生活習慣病の診断に重要な指標が何であるかを理解し、時代とともに変化する健診項目にも注意が必要です。過去には必須であった項目が外されたり、新しい項目が追加されたりすることがあるため、最新のガイドラインに基づいた知識が求められます。
混同注意
特定健診の必須項目と、一般的に行われる健康診断の項目、あるいは人間ドックの項目とを混同しやすいです。また、HbA1cやAST/ALT、総コレステロールといった関連の深い検査項目が必須か選択項目かを判断する点で誤解が生じやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、特定健診の必須項目(特に血液検査、尿検査、身体計測)と、医師の判断で追加される選択項目(心電図、眼底、貧血検査、尿酸、クレアチニンなど)を明確に区別できるかを確認します。また、糖尿病の診断における空腹時血糖、随時血糖、HbA1cの位置づけや、脂質検査におけるLDL、HDL、中性脂肪、総コレステロールの扱いについても最新の知識が問われる可能性があります。
関連知識
特定健康診査(特定健診)および特定保健指導は、40歳から74歳までの国民を対象とした、メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病対策です。健診項目は、生活習慣病のリスクを効率的に評価するために選定されています。特に、高血圧、脂質異常症、糖尿病の診断に直結する項目が必須とされています。γ-GTはアルコール性肝障害の指標としても重要であり、生活習慣との関連が深いです。