ビタミンB6の誘導体を補酵素とするのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)は、アミノ基転移酵素の一種であり、補酵素としてピリドキサールリン酸(PLP)を利用します。PLPはビタミンB6の活性型であり、ビタミンB群の派生化合物に該当します。この酵素は、アミノ酸代謝においてアミノ基の転移を触媒する重要な役割を担っています。
選択肢ごとの解説
- 1. ALPは金属酵素であり、主にマグネシウムイオンや亜鉛イオンを補因子として利用しますが、ビタミンB群の派生化合物を補酵素とはしません。正しくは:ALPはマグネシウムイオン、亜鉛イオンを補因子として利用します。選びやすい理由:多くの酵素が補酵素や補因子を必要とするため、特定の補酵素について知識があいまいな場合、選びやすいかもしれません。混同注意:金属イオンを補因子とする酵素とビタミン由来の補酵素を必要とする酵素。
- 2. AMYは加水分解酵素であり、主にカルシウムイオンを補因子として利用します。ビタミンB群の派生化合物を補酵素とはしません。正しくは:AMYはカルシウムイオンを補因子として利用します。選びやすい理由:一般的な消化酵素であるため、よく知られている酵素として無意識に選択してしまう可能性があります。混同注意:アミラーゼが特定のイオンを必要とすることと、ビタミンB群を補酵素とする酵素の区別。
- 3. 正解。ASTは、補酵素としてビタミンB6の活性型であるピリドキサールリン酸(PLP)を必要とします。PLPはビタミンB群の派生化合物です。選びやすい理由:正答肢であるため、知識があれば迷わず選択できます。混同注意:ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)も同様にPLPを補酵素としますが、選択肢にはありません。
- 4. LD(乳酸脱水素酵素)は、補酵素としてニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を利用します。NAD+はビタミンB3(ナイアシン)の派生化合物ですが、選択肢3のASTがより代表的なビタミンB群(B6)補酵素利用酵素であり、本問ではASTが正解とされています。正しくは:LDはNAD+を補酵素として利用します。選びやすい理由:NAD+がビタミンB3由来であるため、ビタミンB群の派生化合物を補酵素として利用するという条件には当てはまることから、誤って選択しやすいです。しかし、臨床検査においてより特徴的に「ビタミンB群の補酵素」として言及されるのはASTのPLP(B6)です。混同注意:様々なビタミンB群の派生化合物と、それらを補酵素とする酵素群。特にB3由来のNADとB6由来のPLPの区別。
- 5. γ-GTは、グルタチオン代謝に関わる酵素であり、補酵素をほとんど必要としないか、あるいは特定の金属イオンを補因子として利用することがありますが、ビタミンB群の派生化合物を補酵素とはしません。正しくは:γ-GTは特定の補酵素を必要とせず、水と基質の反応を利用します。選びやすい理由:肝機能の指標としてよく知られているため、一般的な酵素知識と混同しやすいです。混同注意:肝臓関連酵素であることと、ビタミンB群を補酵素とする酵素の区別。
国試ポイント
臨床検査における主要酵素の補酵素の種類(特にビタミンB群関連)と、その酵素の生体内での主な役割を理解することが重要です。
混同注意
多くの酵素が補酵素を必要としますが、ビタミンB群を補酵素とする酵素とそれ以外の補酵素(金属イオンなど)を利用する酵素を混同しないように区別することがポイントです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合は、まず各選択肢の酵素が生体内でどのような反応に関わるか、そしてその反応に特定の補酵素(特にビタミンB群由来かどうか)が必要かを判断します。
関連知識
ビタミンB1誘導体(チアミンピロリン酸)を補酵素とする酵素にはピルビン酸脱水素酵素など、ビタミンB2誘導体(FAD)を補酵素とする酵素にはコハク酸脱水素酵素など、ビタミンB3誘導体(NAD/NADP)を補酵素とする酵素にはLDHなどがあります。各ビタミンB群とその誘導体が補酵素となる酵素群をまとめて覚えると良いでしょう。