細胞学的検査法で乾燥固定を行うのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
Giemsa染色とペルオキシダーゼ染色は、主に血液や骨髄細胞の塗抹標本に対して行われる染色で、これらは空気乾燥固定後に染色操作へと進みます。これにより、細胞の形態が保持され、それぞれの染色の特徴が明確に表れます。一方、PAS染色、Alcianblue染色、Papanicolaou染色は、細胞の構造や特定の成分を正確に検出するために、一般的に湿固定(エタノールやホルマリンなど)が必要です。乾燥固定は細胞の変性や構造変化を引き起こし、診断に不適切な影響を与える可能性があります。
選択肢ごとの解説
- 1. PAS染色は、細胞内の多糖類を検出する染色で、通常は湿固定(エタノール固定など)が必要です。乾燥させると、細胞構造が変性し、正確な染色結果が得られにくくなります。正しくは:湿固定が必要です。選びやすい理由:細胞学的検査でよく用いられる染色法の一つであるため、知識が曖昧だと選んでしまう可能性があります。混同注意:Giemsa染色やペルオキシダーゼ染色が乾燥固定を用いるため、他の染色法との区別が曖昧だと混同しやすいです。
- 2. 正解。Giemsa染色は、血液塗抹標本や骨髄穿刺標本など、主に血液細胞の形態観察に用いられる染色法です。これらの標本は空気乾燥固定後に染色されます。乾燥固定により細胞の形態が保たれ、特有の染色性が得られます。選びやすい理由:血液検査で日常的に使われる染色法であり、その前処理としての乾燥固定は基本的知識です。
- 3. Alcianblue染色は、酸性ムコ多糖を検出する染色で、細胞構造を保つために湿固定(ホルマリン固定など)が不可欠です。乾燥させると、ムコ多糖の構造が変化し、染色の特異性が失われる可能性があります。正しくは:湿固定が必要です。選びやすい理由:特殊染色の一つとして知られていますが、固定方法までは意識されにくいかもしれません。混同注意:Giemsa染色やペルオキシダーゼ染色が乾燥固定を用いるため、他の染色法との区別が曖昧だと混同しやすいです。
- 4. Papanicolaou染色は、婦人科細胞診で広く用いられる染色法で、細胞の詳細な核構造や細胞質の特徴を観察するために、スライド作成後すぐに湿固定(エタノール固定など)が必要です。乾燥させると細胞が収縮・変性し、診断に影響が出る可能性があります。正しくは:湿固定が必要です。選びやすい理由:細胞診で最も代表的な染色法であるため、よく知られているがゆえに、固定法の詳細を見落としてしまう可能性があります。混同注意:乾燥固定が可能なGiemsa染色やペルオキシダーゼ染色との違いを理解していないと誤って選択することがあります。
- 5. 正解。ペルオキシダーゼ染色は、血液細胞の鑑別診断に用いられる特殊染色の一つで、特に骨髄や末梢血の塗抹標本に対して適用されます。この染色を行う際は、細胞の酵素活性を保持しつつ形態を安定させるため、空気乾燥固定が一般的な前処理です。選びやすい理由:血液細胞の特殊染色として、その前処理の知識は重要です。
国試ポイント
細胞学的検査における各種染色の固定方法に関する知識を問う問題です。特に、乾燥固定と湿固定を必要とする染色の代表例を正確に区別できるかがポイントとなります。
混同注意
Papanicolaou染色のような日常的に行われる染色法が湿固定を必要とすること、そしてGiemsa染色やペルオキシダーゼ染色が乾燥固定を用いることの区別。特に、細胞診で広く使われる染色が全て湿固定であるという誤解が生じやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、各染色法の固定方法だけでなく、その染色が主にどのような検体(塗抹、組織切片など)に用いられるか、またその目的(形態観察、特殊成分の検出、酵素活性の確認など)も合わせて確認することで、より深く理解できるでしょう。
関連知識
固定の目的(細胞の自己融解防止、形態保持、染色性の確保)。固定剤の種類(エタノール、メタノール、ホルマリン、アセトンなど)とその選択理由。各染色法の原理と臨床的意義。