カタラーゼテストで使用するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
カタラーゼは、過酸化水素(H₂O₂)を水(H₂O)と酸素(O₂)に分解する酵素であり、好気性菌や通性嫌気性菌の中には、代謝産物として生じる有毒な過酸化水素を解毒するためにこの酵素を持つものがあります。カタラーゼテストでは、被検菌に過酸化水素水を滴下し、泡の発生(酸素ガス発生)を確認することで、カタラーゼの有無を判定します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。カタラーゼは過酸化水素を水と酸素に分解する酵素です。この酵素の活性を検出するために、過酸化水素水を菌に滴下し、発生する酸素の泡の有無を観察します。
- 2. 水酸化カリウムは、グラム染色後の脱色や、グラム陰性菌の細胞壁を溶解させるKOHテスト(糸曳き試験)などに用いられますが、カタラーゼテストの試薬ではありません。正しくは:カタラーゼテストには過酸化水素水を使用します。水酸化カリウムは主にKOHテストなど、他の細菌鑑別検査で用いられます。選びやすい理由:グラム陰性菌と陽性菌の迅速鑑別であるKOHテストなどで使用されるため、他の細菌検査試薬と混同しやすいです。混同注意:グラム染色やKOHテストなど、他の細菌学的な検査試薬と混同する可能性があります。
- 3. α-ナフトールは、細菌が産生するアセトインを検出するVoges-Proskauer(VP)テスト(フォークスワール試験)の試薬の一部として使用されます。カタラーゼテストとは異なります。正しくは:α-ナフトールはVPテストの試薬であり、カタラーゼテストの試薬は過酸化水素水です。選びやすい理由:細菌の生化学的性状を調べる一般的な検査の一つであるVPテストの試薬であるため、他の酵素活性テストと混同してしまう可能性があります。混同注意:VPテスト(アセトイン産生試験)の試薬と混同しやすいです。
- 4. p-ジメチルアミノベンツアルデヒドは、細菌がトリプトファンからインドールを産生するかどうかを調べるインドールテスト(コバックス試薬の主成分)に用いられる試薬です。カタラーゼテストには使用されません。正しくは:p-ジメチルアミノベンツアルデヒドはインドールテストの試薬であり、カタラーゼテストの試薬は過酸化水素水です。選びやすい理由:細菌の生化学的鑑別試験の試薬の一つとして知られているため、他の検査の試薬と混同する可能性があります。混同注意:インドールテストの試薬(コバックス試薬の主成分)と混同しやすいです。
- 5. テトラメチルパラフェニレンジアミン塩酸塩は、細菌がシトクロムオキシダーゼを産生するかを調べるオキシダーゼテストの試薬として使用されます。カタラーゼテストとは目的が異なります。正しくは:テトラメチルパラフェニレンジアミン塩酸塩はオキシダーゼテストの試薬であり、カタラーゼテストの試薬は過酸化水素水です。選びやすい理由:カタラーゼテストと同様に、細菌の重要な酵素活性を調べる代表的な鑑別試験であるオキシダーゼテストの試薬であるため、特に混同しやすいです。混同注意:オキシダーゼテストの試薬と混同しやすいです。これら二つのテストは細菌鑑別において頻繁に対比されます。
国試ポイント
細菌の同定における主要な生化学的性状検査として、カタラーゼテストは非常に基本的かつ重要です。この問題は、その検査で使用する主要な試薬を正確に覚えているかどうかを問うものです。他の鑑別試験の試薬との区別が特に重要になります。
混同注意
細菌の生化学的性状検査には、カタラーゼテストの他にオキシダーゼテスト、インドールテスト、VPテストなど様々なものがあります。それぞれの検査で使用する試薬や原理が異なるため、これらの試薬名と対応する検査を混同しないように注意が必要です。特にオキシダーゼテストの試薬とは混同しやすいため、明確に区別して覚えましょう。
次に同じ論点が出たら
今後、この論点が出題される際には、「カタラーゼ陽性菌/陰性菌の具体例を問う問題」や、「他の重要な生化学的検査(例:オキシダーゼテスト、コアグラーゼテスト)の試薬、原理、あるいは陽性菌・陰性菌を問う問題」が出題される可能性が高いです。また、過酸化水素がカタラーゼによって分解される化学反応式を問う問題も考えられます。
関連知識
・カタラーゼ陽性菌の例:ブドウ球菌属、セラチア属、緑膿菌など。・カタラーゼ陰性菌の例:レンサ球菌属、腸球菌属、クロストリジウム属など。・オキシダーゼテスト:シトクロムオキシダーゼ活性を検出。試薬はテトラメチルパラフェニレンジアミン塩酸塩。・インドールテスト:トリプトファナーゼ活性を検出。試薬はp-ジメチルアミノベンツアルデヒド(コバックス試薬)。・VPテスト:アセトイン産生を検出。試薬はα-ナフトールとクレアチン。