気管支の特殊染色標本(別冊No. 10)を別に示す。染色法はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
気管支組織には、杯細胞から分泌される酸性ムチン(粘液)が豊富に存在します。アルシアンブルー染色は、この酸性ムチンを特異的に青色に染め出す染色法であり、気管支組織の粘液成分の検出に広く用いられます。提示された画像で粘液が青く染め出されている場合、この染色法が適用されていると考えられます。
選択肢ごとの解説
- 1. ナイルブルー染色は脂肪滴や脂質を検出するのに用いられます。気管支組織における粘液成分の染色法としては不適切です。正しくは:粘液成分の検出には、アルシアンブルー染色やPAS染色などが用いられます。選びやすい理由:「ブルー」という色名から粘液染色と混同する可能性があります。混同注意:アルシアンブルー染色、トルイジンブルー染色
- 2. ベルリンブルー染色は、体内の組織に沈着した鉄(ヘモジデリンなど)を検出するための染色法です。気管支組織の粘液成分の染色には用いません。正しくは:粘液成分の検出には、アルシアンブルー染色やPAS染色などが用いられます。選びやすい理由:「ブルー」という色名から、粘液染色に関連があるように感じるかもしれませんが、全く異なる目的の染色です。混同注意:アルシアンブルー染色、トルイジンブルー染色
- 3. 正解。アルシアンブルー染色(Alcian blue染色)は、酸性ムコ多糖類(酸性粘液)を特異的に青色に染め出す染色法です。気管支には杯細胞から分泌される酸性粘液が豊富に存在するため、粘液細胞や粘液腺の同定に非常に有用です。特に、下図のような組織標本で青く染まっている部分があれば、それは酸性粘液を示唆しており、この染色法が適用された可能性が高いです。選びやすい理由:他のブルー系の染色法との選択で迷うかもしれませんが、粘液組織の染色では最も代表的な方法の一つです。混同注意:PAS染色(中性粘液を染める)、トルイジンブルー染色(肥満細胞の顆粒などを染める)
- 4. ビクトリアブルー染色は、主に弾性線維の染色に用いられることがありますが、ルーチンで粘液の染色に用いられることは一般的ではありません。また、神経組織のグリア線維染色にも利用されることがあります。正しくは:粘液成分の検出には、アルシアンブルー染色やPAS染色などが用いられます。選びやすい理由:「ブルー」という色名から他の組織染色と混同する可能性があります。混同注意:アルシアンブルー染色
- 5. トルイジンブルー染色は、肥満細胞の顆粒(ヘパリンやヒスタミンを含む)を異染性(メタクロマジー)に赤紫色に染め出すことで知られています。粘液も酸性であれば染まりえますが、粘液成分を特異的に青く染め出す代表的な染色法としてはアルシアンブルー染色がより適切です。正しくは:粘液成分を青色に特異的に染め出す代表的な方法はアルシアンブルー染色です。選びやすい理由:トルイジンブルーも酸性粘液を染める性質がありますが、異染性を示す点が特徴であり、直接的に「青」で粘液全体を示す代表的な方法ではありません。混同注意:アルシアンブルー染色
国試ポイント
組織染色法の目的と、各染色法が対象とする組織成分(特に粘液、脂肪、鉄、弾性線維など)を正確に理解しているかを問う問題です。特定の組織(気管支)と関連付けて、最も適切な染色法を選択できるかが重要です。
混同注意
「ブルー」という名前を含む様々な染色法(ナイルブルー、ベルリンブルー、トルイジンブルーなど)との混同。それぞれの染色法の検出対象を明確に区別することが求められます。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず画像のどのような構造や物質が染め出されているかに注目します。特に粘液のように特徴的な物質が染められている場合は、その物質を特異的に染める染色法を想起します。そして、選択肢の中から最も妥当なものを選びます。他の染色法については、それぞれが何を染めるのかを正確に識別できるかがポイントとなります。
関連知識
PAS染色(中性粘液、グリコーゲン)、HE染色(一般的な組織形態)、マッソントリクローム染色(コラーゲン線維)、エラスチカ・ワンギーソン染色(弾性線維)など、主要な組織染色法の目的と適用組織。