甲状腺濾胞細胞で産生されるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
甲状腺濾胞細胞は、甲状腺ホルモン(T3、T4)の合成に必要な巨大な糖タンパク質であるサイログロブリンを産生し、濾胞腔に貯蔵します。このサイログロブリンがヨード化され、プロテアーゼによる分解を受けることで、活性のある甲状腺ホルモンが放出されます。
選択肢ごとの解説
- 1. カルシトニンは、甲状腺に存在する傍濾胞細胞(C細胞)によって産生・分泌されるホルモンです。血中カルシウム濃度を低下させる作用があります。正しくは:甲状腺濾胞細胞で産生される主要な糖タンパク質はサイログロブリンです。選びやすい理由:同じ甲状腺から分泌されるホルモンであるため、甲状腺濾胞細胞が産生すると誤解しやすいです。混同注意:甲状腺濾胞細胞が産生する甲状腺ホルモン(T3、T4)やその前駆体であるサイログロブリンと混同されることがあります。
- 2. パラトルモン(副甲状腺ホルモン、PTH)は、甲状腺とは異なる臓器である副甲状腺から分泌されるホルモンです。血中カルシウム濃度を上昇させる作用があります。正しくは:甲状腺濾胞細胞で産生されるのはサイログロブリンです。選びやすい理由:カルシトニンと対をなすカルシウム代謝に関わるホルモンであるため、内分泌系の一連の知識として関連付けやすいですが、産生臓器が異なります。混同注意:カルシウム代謝に関わるホルモンであることを理由に、甲状腺関連ホルモンと誤って関連付けられる可能性があります。
- 3. ソマトスタチンは、視床下部、膵臓のδ細胞、消化管粘膜など広範囲で産生されるホルモンで、成長ホルモン、インスリン、グルカゴンなど多くのホルモンの分泌を抑制する作用があります。甲状腺濾胞細胞とは直接的な関連がありません。正しくは:甲状腺濾胞細胞で産生されるのはサイログロブリンです。選びやすい理由:様々なホルモンの分泌を抑制する作用があるため、内分泌系の一般的な知識として選択肢に誤って選ばれる可能性があります。混同注意:他の内分泌腺や消化管から分泌されるホルモンと混同しやすいです。
- 4. 正解。サイログロブリンは、甲状腺濾胞細胞の細胞内で合成される巨大な糖タンパク質であり、甲状腺ホルモン(T3、T4)の合成前駆体として濾胞腔に貯蔵されます。混同注意:甲状腺ホルモンそのもの(T3、T4)と混同することがありますが、サイログロブリンは甲状腺ホルモンが作られる基質(前駆体)であり、濾胞細胞が「産生」する主要な物質です。
- 5. 甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、甲状腺の機能(甲状腺ホルモンの合成と分泌)を調節するために、下垂体前葉から分泌されるホルモンです。甲状腺自体から産生されるものではありません。正しくは:甲状腺濾胞細胞で産生されるのはサイログロブリンです。選びやすい理由:甲状腺の機能と非常に密接に関わるホルモンであるため、甲状腺自体が産生すると誤解しやすいです。混同注意:甲状腺ホルモン(T3、T4)や、甲状腺濾胞細胞が産生するサイログロブリンと混同されることがあります。TSHは「刺激する側」のホルモンであることを理解することが重要です。
国試ポイント
甲状腺の解剖学的構造と機能、特に異なる細胞が産生する物質について正確な知識が問われます。甲状腺濾胞細胞、傍濾胞細胞(C細胞)、および甲状腺機能を制御する下垂体からのホルモン(TSH)の役割を明確に区別することが重要です。
混同注意
甲状腺濾胞細胞が産生する「サイログロブリン」と、そこから生成される「甲状腺ホルモン(T3、T4)」、そして甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)が産生する「カルシトニン」との区別が曖昧になりやすいです。また、甲状腺機能を制御する「甲状腺刺激ホルモン(TSH)」を下垂体からの分泌物ではなく、甲状腺からの分泌物と誤解することもあります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題される場合、甲状腺濾胞細胞の役割だけでなく、傍濾胞細胞(C細胞)の産生するホルモン、あるいは甲状腺ホルモン合成経路の各ステップに関わる酵素や物質について具体的に問われる可能性があります。甲状腺機能検査項目(T3、T4、TSH、サイログロブリン、カルシトニンなど)の基準値と、それらが異常値を示す病態についても理解を深めておきましょう。
関連知識
甲状腺ホルモン(T3、T4)の生合成経路(ヨードの取り込み、サイログロブリンの合成、ヨード化、カップリング反応、プロテアーゼによる分解)。甲状腺の各細胞(濾胞細胞、傍濾胞細胞)の機能と産生ホルモン。甲状腺機能の調節機構(視床下部-下垂体-甲状腺軸)。カルシウム代謝に関わるホルモン(カルシトニン、パラトルモン、活性型ビタミンD)の産生臓器と作用。