肝硬変について誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
肝硬変が進行すると、肝臓は線維化によって硬くなり、一般的には全体的に萎縮します。特に右葉は萎縮することが多く、代償的に左葉や尾状葉が肥大することがあります。そのため、「肝右葉腫大」は肝硬変の典型的所見としては誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肝硬変が進行すると、肝臓全体が萎縮するか、特に右葉の萎縮と左葉・尾状葉の代償性肥大が見られることが多いです。右葉の腫大は一般的ではありません。正しくは:肝臓の右葉が萎縮することが多い。選びやすい理由:肝臓病では腫大することがあるため、一見正しいように見えるかもしれません。混同注意:急性肝炎などの初期段階で肝腫大が見られることと混同しやすいです。
- 2. 肝硬変では、脾機能亢進により脾臓で血小板が破壊されるため、血小板減少が見られます。また、肝臓でのトロンボポエチン産生低下も関連します。正しくは:これは正しい記述です。血小板減少は肝硬変でよく見られます。選びやすい理由:正しい記述です。
- 3. 肝硬変による門脈圧亢進症のため、門脈系の血液が体循環系に側副路を介して流れるようになり、食道静脈瘤が形成されます。正しくは:これは正しい記述です。食道静脈瘤は肝硬変の合併症として重要です。選びやすい理由:正しい記述です。
- 4. ICG(インドシアニングリーン)試験は肝機能を評価する検査であり、肝硬変では肝細胞の機能が低下しているため、ICGの取り込みや排泄が著しく遅延します。正しくは:これは正しい記述です。ICG試験における排泄遅延は肝機能障害の指標となります。選びやすい理由:正しい記述です。
- 5. 日本においては、C型肝炎ウイルス(HCV)感染が慢性肝炎から肝硬変へと進行する主要な原因の一つです。近年では非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)も増加傾向にあります。正しくは:これは正しい記述です。C型肝炎ウイルスは肝硬変の主要な原因の一つです。選びやすい理由:正しい記述です。
国試ポイント
肝硬変の病態生理学的特徴と、それに伴う身体所見や検査所見について正しく理解しているかを確認する問題です。特に、肝臓の形態変化(萎縮・腫大部位)や門脈圧亢進症に伴う合併症、肝機能低下を示す検査値が問われます。
混同注意
急性肝炎における肝腫大と、慢性期の肝硬変における肝萎縮を混同しやすいです。また、肝硬変による脾腫と肝腫大の区別もポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に肝硬変に関する問題が出た場合は、肝臓の形態変化のパターン、門脈圧亢進症の症状、肝機能障害の検査所見、および合併症に注目して選択肢を検討します。
関連知識
肝硬変の主要な原因(ウイルス性、アルコール性、NASHなど)、門脈圧亢進症の機序と合併症(食道静脈瘤、脾腫、腹水)、肝性脳症、肝不全、各種肝機能検査(AST, ALT, ALP, γ-GTP, T-Bil, Alb, PT, ICGなど)の意義。