1型糖尿病と関連のある自己抗体はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が自己免疫によって破壊される疾患であり、その過程で様々な自己抗体が検出されます。中でも抗GAD抗体は、1型糖尿病患者の多くで高頻度に検出され、診断マーカーとして非常に重要です。他の選択肢の抗体は、それぞれ異なる自己免疫疾患と関連しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。抗GAD抗体(グルタミン酸脱炭酸酵素抗体)は、膵臓のβ細胞に存在する酵素に対する自己抗体であり、1型糖尿病の約70~80%の患者で検出され、疾患の診断および病型分類において重要なマーカーです。β細胞の破壊に関与すると考えられています。
- 2. 抗SS-A抗体(または抗Ro抗体)は、主にシェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病で検出される自己抗体です。正しくは:シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病と関連が深いのは、抗SS-A抗体です。選びやすい理由:様々な自己免疫疾患に複数の自己抗体が関与するため、選択肢の中から特定の疾患に結びつける知識が曖昧だと迷う可能性があります。混同注意:他の膠原病関連抗体(抗SS-B抗体、抗RNP抗体など)
- 3. 抗平滑筋抗体は、主に自己免疫性肝炎の診断において重要なマーカーとなる自己抗体です。正しくは:自己免疫性肝炎と関連が深いのは、抗平滑筋抗体です。選びやすい理由:臓器特異的な自己免疫疾患に関連する抗体であるため、臓器特異性を理解していないと混同しやすいかもしれません。混同注意:他の肝疾患関連抗体(抗ミトコンドリア抗体など)
- 4. 抗リン脂質抗体は、抗リン脂質抗体症候群の診断基準の一つであり、血栓症や習慣性流産などと関連する自己抗体です。正しくは:抗リン脂質抗体症候群と関連が深いのは、抗リン脂質抗体です。選びやすい理由:全身性の自己免疫疾患に関連する抗体であるため、幅広い疾患との関連を漠然と捉えていると判断が難しいかもしれません。混同注意:他の血栓性疾患や妊娠合併症に関連する因子
- 5. 抗サイログロブリン抗体は、主に橋本病(慢性甲状腺炎)などの自己免疫性甲状腺疾患で検出される自己抗体です。正しくは:橋本病(慢性甲状腺炎)などの自己免疫性甲状腺疾患と関連が深いのは、抗サイログロブリン抗体です。選びやすい理由:別の臓器特異的な自己免疫疾患の抗体であるため、甲状腺と膵臓の区別が曖昧だと誤解を招く可能性があります。混同注意:抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)、TRAb(TSH受容体抗体)
国試ポイント
1型糖尿病の病態生理と診断マーカーとしての自己抗体の知識が問われています。特に主要な自己抗体とその関連疾患を正確に結びつけられるかがポイントです。
混同注意
様々な自己免疫疾患と関連する自己抗体が多数存在するため、それぞれの抗体と特異的な疾患との関連を正確に覚える必要があります。特に臓器特異的自己免疫疾患の抗体は混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出題された場合、1型糖尿病の病型分類、他の糖尿病型との鑑別点、主要な自己抗体の検査意義とその臨床的応用について問われる可能性があります。また、インスリン依存性糖尿病の定義や病態生理も確認しましょう。
関連知識
1型糖尿病における他の関連自己抗体(抗インスリン抗体、抗IA-2抗体、抗ZnT8抗体など)、他の自己免疫疾患とその主要な自己抗体(例:慢性甲状腺炎と抗TPO抗体、バセドウ病とTRAb、自己免疫性肝炎と抗核抗体・抗平滑筋抗体など)。