フローサイトメトリで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
フローサイトメトリーは、流動する細胞を一つずつレーザー光で照射し、その散乱光や蛍光を検出することで、細胞の物理的特性(大きさ、複雑性)や化学的特性(DNA量、表面抗原)を迅速かつ定量的に解析する手法です。核内DNA量を蛍光色素で標識し測定することで、細胞周期の解析やアポトーシス細胞の検出が可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。フローサイトメトリーは、蛍光色素で標識された細胞のDNA量を測定し、細胞周期解析やアポトーシス解析に利用されます。
- 2. フローサイトメトリーでは、主に蛍光色素で標識された抗体を用います。酵素標識抗体はELISAや免疫染色などで使用されます。正しくは:蛍光色素で標識されたモノクローナル抗体を使用します。選びやすい理由:抗体を使用する点は正しいですが、標識方法が異なるため誤りです。免疫学的な検査で抗体がよく使われるため、標識の種類まで注意しないと選びやすいです。混同注意:蛍光標識抗体と酵素標識抗体
- 3. フローサイトメトリーの光源は、主にレーザー(アルゴンレーザー、ヘリウムネオンレーザーなど)が用いられます。重水素ランプは紫外光を発生させ、吸光度測定装置などで使用されます。正しくは:測定装置の光源にレーザー光を用いる。選びやすい理由:ランプという言葉から、何らかの光源を使うことは想像できますが、具体的な種類が誤りです。混同注意:フローサイトメトリーの光源と、吸光度計などに用いられる光源
- 4. フローサイトメトリーは、細胞だけでなく、ラテックスビーズなどの人工粒子も蛍光標識することで測定・分析が可能です。これは、キャリブレーションやアッセイ系の評価にも利用されます。正しくは:ラテックスビーズなどの人工粒子も測定できます。選びやすい理由:主に細胞を測定するイメージがあるため、人工粒子が測定できないと考えてしまう可能性があります。混同注意:生体試料の測定対象と非生体試料の測定対象
- 5. 前方散乱光は主に細胞のサイズ(大きさ)に関する情報を提供します。細胞の内部構造(顆粒の有無や複雑性)に関する情報は、側方散乱光(サイドスキャッター)から得られます。正しくは:側方散乱光から細胞の内部構造に関する情報が得られる。選びやすい理由:散乱光が細胞の形態情報に関わることは正しいですが、前方と側方で得られる情報が異なる点を混同しやすいため、選択しやすいです。混同注意:前方散乱光と側方散乱光が示す情報
国試ポイント
フローサイトメトリーの基本的な原理、特に測定対象(DNA量、表面抗原など)、光源の種類、散乱光(前方・側方)から得られる情報について理解しているか問われています。各選択肢で他の測定原理や誤った情報を混ぜてきており、正確な知識が求められます。
混同注意
フローサイトメトリーと他の免疫学的測定法(ELISA、免疫染色など)の標識方法や光源、また前方散乱光と側方散乱光が示す情報が混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
フローサイトメトリーの問題が出た場合、まず『何を測定しているか』『どのような原理で測定しているか(光源、散乱光、蛍光)』『何に利用されているか』という3つの視点で選択肢を検討する。
関連知識
細胞周期のG0/G1期、S期、G2/M期におけるDNA量の違い、アポトーシスにおけるサブG1期の出現。CDマーカーを用いた細胞表面抗原の解析。蛍光色素の種類とその励起・蛍光波長。